Euphorbia francoisii cv. Versicolor
ユーフォルビア・ウェルシコロル
色彩豊かな“ウェルシコロル”
園芸品種であることを示す 'cv.'(cultivarの略)の後の 'Versicolor' は、ラテン語で“玉虫色の”という意味があります。
この園芸品種名は、正式に登録されたものや、市場で一般的に呼ばれている名前ではなく、単に isla del pescado で便宜上、勝手にそう呼んでいるだけなのであしからず
鮮やかな葉が特徴の小型塊根種、'Euphorbia francoisii'(ユーフォルビア・フランコイシー)や、その変種である 'Euphorbia francoisii var. crassicaulis'(ユーフォルビア・クラシカウリス)を人工的に交配したもので、千差万別ともいえる葉のバリエーションが最大の特徴。
“ウェルシコロル”の一概に何色とはいえないほどの様々な色や形は、多肉植物に詳しくない方にも興味を持ってもらえる素晴らしい魅力があります。
親であるフランコイシーやクラシカウリスは、個体による葉の変異が激しく、その親株たちの中から葉の模様や葉脈が美しいもの、形状の面白いものをかけあわせて作出されました。
フランコイシーのバリエーション収集は昔からユーフォルビアマニアが細々と行われていましたが、“ウェルシコロル”のような交配種の作出は東欧の栽培家が交配をはじめ、それがアジアに渡りタイや台湾で盛んに行われるようになったとのことです。
ちなみに“ウェルシコロル”は、葉を楽しむものなので一般的には挿し木で増やされることが多いのですが、親であるフランコイシーやクラシカウリス同様に、実生で育てられたものは塊根もしっかりと形成します。
小さいうちから花付きもよく、花も大きいので交配は比較的簡単にできます。
面白い特徴をもった株同士を自分で交配して、オリジナルの“ウェルシコロル”の作出にチャレンジするのも楽しみかたの1つですね。
【科・属】
Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属
【原産地】
園芸品種
【置き場所】
一年を通して日光のよくあたる、風通しの良い場所で管理します。
塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアは、日光が不足した場合や、風通しが悪い場合に枝が細長く徒長してしまうため注意が必要です。
ただし、あまりに日光が強い場所では枝や葉が焼けてしまう場合もあるので、その際は若干遮光します。その場合でも風通しは確保しましょう。
日当たりや通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると徒長はある程度防ぐことができます。
【水やり】
成長期は土が完全に乾いてから水やりをします。
ユーフォルビア・フランコイシーのような塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアは、水やりの頻度が多いと枝が徒長しやすいので、水はなるべく控えめの方が丈の詰まった良い株になります。水切れよりも与えすぎに注意しましょう。
気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。
休眠期の冬でも月に2-3回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
加温している温室では冬になっても休眠に入らない場合もありますので、その際は適度に水やりします。
【肥料】
塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアは、肥料を与えると枝が間延びしやすくなるため、控えめに与えます。
成長はゆっくりになりますが、なるべく時間をかけて持ち込んだほうが締まった良い株になるので、肥料は控えめにしましょう。
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ユーフォルビア・フランコイシーは寒さに弱いので冬は暖かい場所で管理します。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。