Euphorbia francoisii
ユーフォルビア・フランコイシー
不思議な葉っぱの模様が魅力、ユーフォルビア・フランコイシーです
マダガスカル最南部 - ラノピゾ(Ranopiso)からトラニャロ(Taolanaro)にかけての沿岸沿いの非常に狭い範囲が原産です。
海岸線からほど近い砂丘に点在する灌木の茂みの下などに隠れるように自生しています。
種小名の 'francoisii' は、マダガスカルのプラントコレクター、エドモンド ・フランソア氏(Edmond Francois)の名をとって命名されました。
ひとめで目につく、その大きく派手な葉っぱがユーフォルビア・フランコイシーの一番の特徴。
同属の 'Euphorbia decaryi'(ユーフォルビア・デカリー:ちび花キリン) や、'Euphorbia capsaintemariensis'(ユーフォルビア・カプサインテマリエンシス)と姿形は似ていますが、大きく派手な葉っぱですぐに見分けがつきます。
ユーフォルビア・フランコイシーの葉の色は、ピンクがかった緑色のツートンカラーをしていて、他のユーフォルビアにはない独特の色合いが魅力です。
この葉の色合いは個体差がかなりあり、緑に近い葉をもつ個体、赤身が強い個体、クリーム色が強い個体、、、など様々です。
この個体差を利用して、欧米やタイでは様々な園芸品種が作出されています。
大きな葉で隠れてあまり目立ちませんが、地中には塊根を形成します。
塊根は白味がかった表皮をしており、表面はやや毛羽立っています。
成長は遅く、ゆっくりとしたぺースでしか成長しません。
ユーフォルビア・フランコイシーは挿し木で増やせるので、出回っているフランコイシーのほとんどが挿し木株。
残念ながら、挿し木株では成長しても絡み合った細かい根ばかりでふっくらした塊根は形成されません。
美しい葉と太った塊根を楽しみたい人は実生の株を手に入れてみて下さい。
【科・属】
Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属
【原産地】
マダガスカル - ラノピゾ(Ranopiso)、トラニャロ(Taolanaro)
【置き場所】
年間を通して適度に遮光した明るく風通しの良い場所で管理します。
塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアは、日光が不足した場合や、風通しが悪い場合に枝が細長く徒長してしまうため注意が必要です。
また、暗い場所で管理し続けると軟弱な株となり、塊根が腐ってしまうこともあります。
ただしユーフォルビア・フランコイシーは強い日光を嫌うため、寒冷紗を使ったり、日照時間を調整すると葉の色を美しく保つことができます。
葉の色や株の状態を見ながら、適切な明るさの下で管理しましょう。
日当たりや通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると徒長はある程度防ぐことができます。
【水やり】
成長期である気温の高い季節は用土が完全に乾ききる前に水やりをします。
成長期は水を好みますが、頻繁に水やりしすぎると枝が長く伸びすぎてしまうことがあるので注意しましょう。
気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。
休眠期の冬でも月に2-3回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。
その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
ちなみにマダガスカル最南端付近は年間を通して適度に雨も降るため、完全な乾季がありません。
そのため、この一帯に自生する塊根性のユーフォルビアは植物の生理上、“休眠する”という概念自体がない場合があり、寒くなっても葉を落とさない場合があります。
葉を落とさないまま長期間断水すると徐々に塊根部分に貯めていた水分を使い果たし、塊根がヘコみ、最悪の場合はそのまま枯死することもあります。
もし寒くなってきても葉を落とす気配がない場合は、栽培温度を高めに保ち、少量の水やりを行うようにすると良い場合もあります。
【肥料】
塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアは、肥料を与えると枝が間延びしやすくなるため、控えめに与えます。
成長はゆっくりになりますが、なるべく時間をかけて育てたほうが締まった良い株になるので、肥料は控えめにしましょう。
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ユーフォルビア・フランコイシーは寒さに非常に弱いため、冬は暖かい場所で管理します。
葉を落とす気配がない場合は、ごく少量の水やりをする必要がありますので、高い気温を確保しましょう。
成長が鈍る寒い季節も適度に日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。