Euphorbia francoisii var. crassicaulis
ユーフォルビア・クラシカウリス
深い色合いのユーフォルビア・クラシカウリス
マダガスカル南部 - トゥリアラ州Ranopiso(ラノピゾ)近郊の小さな町、Andrahomana(アンドラホマナ)が原産で、ごく限られた範囲に少数の個体群のみが確認されています。
自生地は海岸に近い乾燥した灌木林で、ブッシュの下などに自生しています。
変種名の 'crassicaulis' は、ラテン語の 'crassi-'(太い) + 'caulis'(茎)の合成語で、“太い茎の”という意味があります。
カラフルな葉で有名な 'Euphorbia francoisii'(ユーフォルビア・フランコイシー)の変種とされており、見た目もとても良く似ています。
基本種であるフランコイシーは、個体や産地によって葉の模様・色・形のバリエーションに富んでいるので、単にフランコイシーのバリエーションの一つのような気もするのですが、1997年に新種として記載されています。
基本種との違いとしては、葉の形状が幅広でカールし葉脈もよりはっきりとしている、フランコイシーと比較して葉色が暗い、そして変種名にもあるように茎(枝)が基本種と比較して太いという特徴から、変種として認識されているようです。
ところがフランコイシーと同様にクラシカウリスも葉の模様・色・形が個体差が大きく、クラシカウリスと判断するのはとても難しいです。
赤葉系の個体が 'Euphorbia francoisii var. crassicaulis f. rubrifolia'(rubrifolia:赤い葉の)という名で出回ることがあります。
さらに混迷を極める要因として、基本種のフランコイシーや近似種との交配で作り出されたハイブリッドな個体が多く産出されているので、純粋なクラシカウリスを入手するのはとても難しいのが現状です。
この個体もユーフォルビアの専門家から“純血の”Euphorbia francoisii var. crassicaulisとして譲って頂いた株ですが、真贋についてはなんとも言えません。。。
色々とややこしい話はあるにせよ、一つの植物としてみた本種はとても魅力的な点については間違いないですね。
【科・属】
Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属
【原産地】
マダガスカル南部 - トゥリアラ州Andrahomana(アンドラホマナ)
【置き場所】
一年を通して日光のよくあたる、風通しの良い場所で管理します。
塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアは、日光が不足した場合や、風通しが悪い場合に枝が細長く徒長してしまうため注意が必要です。
ただし、あまりに日光が強い場所では枝や葉が焼けてしまう場合もあるので、その際は若干遮光します。その場合でも風通しは確保しましょう。
日当たりや通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると徒長はある程度防ぐことができます。
【水やり】
成長期は土が完全に乾いてから水やりをします。
ユーフォルビア・クラシカウリスのような塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアは、水やりの頻度が多いと枝が徒長しやすいので、水はなるべく控えめの方が丈の詰まった良い株になります。水切れよりも与えすぎに注意しましょう。
気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。
休眠期の冬でも月に2-3回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
加温している温室では冬になっても休眠に入らない場合もありますので、その際は適度に水やりします。
【肥料】
塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアは、肥料を与えると枝が間延びしやすくなるため、控えめに与えます。
成長はゆっくりになりますが、なるべく時間をかけて持ち込んだほうが締まった良い株になるので、肥料は控えめにしましょう。
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ユーフォルビア・クラシカウリスは寒さに弱いので冬は暖かい場所で管理します。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。