Pachypodium lamerei var. fiherenense
パキポディウム・フィヘレネンセ
パンパンに膨らんだ大株のフィヘレネンセ
マダガスカル南部 - トゥリアラ州に流れるフィヘレナナ川(Fiherenana)沿いの渓谷が原産で、岩の上や砂質の痩せた土壌に自生しています。
変種名の 'fiherense' は、原産地であるフィヘレナナ川(Fiherenana)に由来しています。
成長も早く丈夫なパキポディウムとして普及している 'Pachypodium lamerei'(パキポディウム・ラメレイ)。
その変種であるフィヘレネンセは、ほっそりした印象のある基本種に比べ、幹が樽のようにむっちりと太るところが大きな特徴です。
基本種のラメレイは成長すると高さ4mを超えることもありますが、フィヘレネンセはせいぜい1.5mほどの大きさにしか成長しません。
樹形だけみると別種のようにも見えますが、トゲの形状や葉の形はよくみるとラメレイと同じであることが分かります。
また大きな違いとして、ラメレイは高さが2mを超えるまではほとんど分岐せずに単幹で成長することが多く、フィヘレネンセは小さな株のうちから旺盛に仔株を吹きます。
花は基本種と同じく白い花を咲かせますが(咲くまでには10年ほどかかる)、フィヘレネンセの花は基本種の半分ぐらいの大きさのようです。
ちなみに学名については 'P.fiherensis'(フィヘレンシス)や、'fiherense'(フィヘレンセ) と呼ばれることもあり、どれが正しい学名かはいまいち不明確なようです。
基本種に比べるとやや成長は遅いのですが、それでも丈夫な性質は引き継いでいるので、むっちりしたトゲトゲパキポ好きな方にお勧めの珍種です。
【科・属】
Apocynaceae Pachypodium
キョウチクトウ科パキポディウム属
【原産地】
マダガスカル南部 - フィヘレナナ川(Fiherenana)渓谷
【置き場所】
一年を通して直射日光のよくあたる場所で管理します。
パキポディウムの仲間を栽培する上で日光はとても重要です。
日光が不足すると幹や枝が徒長しやすくなり、日光不足の状態で長時間栽培すると根腐れを起こしたり、株の内部から腐敗しやすくなります。
パキポディウム・フィヘレネンセは寒さに弱いので、冬場でも日光のよく当たる場所で管理し、寒さに当てないようにしましょう。
また、風通しの悪い場所ではカイガラムシが発生しやすくなります。
硬く締まった株に育てるためにも日当たりや風通しには特に注意しましょう。
【水やり】
成長期の夏は土が乾いたらたっぷりと水やりします。
直射日光の当たる場所では真夏は毎日水やりしても問題ありません。むしろ梅雨明け以降は雨ざらしにし、雨風に当てた方が調子よく育ちます。
秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春までは完全に断水します。
春になると葉や花芽が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
梅雨が明けるまでは、土が完全に乾いて数日おいてから天気の良い日に水やりするようにします。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
パキポディウム・フィヘレネンセは寒さに弱いため、冬は暖かいところで管理します。
葉を落とした後の休眠期も、表皮の下の葉緑素で光合成を行って寒さに対する体力を静かにつけています。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。