Pachypodium bicolor
パキポディウム・ビカラー
黄色と白色の花が特徴のP.ビカラー
マダガスカル - トゥリアラ州メナベ地区のベロ-ツィリビヒナ(Belon'i Tsiribihina)の東部のごく一部の限られた地域が原産です。
標高50mほどのTsiribihina川に近い多孔性砂岩の崖に自生しており、この一帯は年間平均気温27℃もあり、マダガスカルで最も暑い地域として知られています。
種小名の 'bicolor' は、ラテン語で“二色の”という意味があり、'bi-'(2つの)+ 'color'(色)の合成語です。
ラテン語読みだと“バイクルァー”となるようですが、呼びにくいので英語読みで表記させて頂きます。
1997年に新種として記載された新しい種で、当初は 'Pachypodium rosratum'(パキポディウム・ロスラツム)の一品種とされていました。
発見後に行われた分類調査では品種から完全な種へと変更された経緯があります(未だ議論中のようですが)。
ちなみに本種の自生している地域はかなりアクセスが困難な場所らしく、そのため発見も近年になったようです。
低く育つ中型のパキポディウムで、株の直径は50-60cmほどの大きさに成長します。
ちなみに本種の自生している地域はかなりアクセスが困難な場所らしく、そのため発見も近年になったようです。
樹形や枝ぶりなどはパキポディウム・ロスラツムとほとんど見分けがつきませんが、パキポディウム・ビカラーの最大の特徴は花にあります。
パキポディウムらしい黄色い花を咲かせますが、花冠と呼ばれる花の中心部のチューブ状の部分が白色をしています。
わずかな違いのようにも見えますが、パキポディウム属の分類学上、この花冠の違いは別種と判断する大きな材料のようになっているようです。
パキポディウム属で2色に分れたの花を持つ種としては
'Pachypodium makayense'(パキポディウム・マカイエンセ:魔界玉)が知られていますが、樹形や花の形状も似ているため、本種とは明確に区別するのは難しいところです。
【科・属】
Apocynaceae Pachypodium
キョウチクトウ科パキポディウム属
【原産地】
マダガスカル - トゥリアラ州ベロ-ツィリビヒナ(Belon'i Tsiribihina)
【置き場所】
一年を通して直射日光のよくあたる場所で管理します。
パキポディウムの仲間を栽培する上で日光はとても重要です。
日光が不足すると幹や枝が徒長しやすくなり、日光不足の状態で長時間栽培すると根腐れを起こしたり、株の内部から腐敗しやすくなります。
また、風通しの悪い場所ではカイガラムシが発生しやすくなります。
硬く締まった株に育てるためにも日当たりや風通しには特に注意しましょう。
【水やり】
成長期の夏は土が乾いたらたっぷりと水やりします。
直射日光の当たる場所では真夏は毎日水やりしても問題ありません。むしろ梅雨明け以降は雨ざらしにし、雨風に当てた方が調子よく育ちます。
秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春までは完全に断水します。
春になると葉や花芽が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
梅雨が明けるまでは、土が完全に乾いて数日おいてから天気の良い日に水やりするようにします。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
パキポディウム・ビカラーは寒さにとても弱いので冬は暖かいところで管理します。
葉を落とした後の休眠期も、硬い表皮の下の葉緑素で光合成を行って寒さに対する体力を静かにつけています。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。