Pachypodium makayense
魔界玉
パキポディウム属のニューフェイス、パキポディウム・マカイエンセ
マダガスカル - トゥリアラ州メネベ(Menabe)北方のマッケイ峡谷のみが原産です。
種小名の 'makayense' は言うまでもなく、自生地であるのマッケイ山脈(Mt. Makey) に由来します。
近年発見された種にしては珍しく和名が与えられており、その名も“魔界玉” と命名されました。
単純に学名の 'makayense'(マカイエンセ) の当て字らしく、“魔界”から想像するような禍々しい由来は特にないようです。
2004年に記載された新種のパキポディウムです。
国立公園としても有名なイサロ(Isalo)から北に50kmほどにある、マッケイ峡谷の小さな山で発見されました。
自生地のマッケイ峡谷は不規則な形状のもろい砂岩の山々が無数に連なる場所で、植物や木がほとんど生えていません。
峡谷は複雑に入り組んでおり、切り立った崖やアクセスの悪さから現地でも未踏の地として知られています。
著名な多肉植物の専門家、ジョン・ジェイコブ・ラブラノス氏(John Jacob Lavranos)によって発見された当初はパキポディウム属の中でも独立した種とされていましたが、現在は 'Pachypodium rosulatum'(パキポディウム・ロスラツム)の亜種、もしくは変種とされることが多いようです(Pachypodium rosulatum ssp. makayense)。
成長した大きな個体は直径50cmほどの大きさに成長する中型のパキポディウムです。
主幹から太い枝を直立して伸ばす株姿が本種の特徴で、株が若いうちは主幹は縦に伸びますが、成熟に伴って横に広がるように成長する傾向があります。
枝の先端からは披針形から長細い楕円形の葉を展開します。
また本種の大きな特徴の一つとして、花の色が挙げられます。
ロスラツムの変種・亜種とされるため黄色の花ですが、花の中心部が白く染まる特徴があります。
近年では実生で増やされた株や山採りの株が多く出回るようになりました。
【科・属】
Apocynaceae Pachypodium
キョウチクトウ科パキポディウム属
【原産地】
マダガスカル - 南西部 マッケイ峡谷(Mt. Makey)
【置き場所】
一年を通して直射日光のよくあたる場所で管理します。
パキポディウムの仲間を栽培する上で日光はとても重要です。
日光が不足すると幹や枝が徒長しやすくなり、日光不足の状態で長時間栽培すると根腐れを起こしたり、株の内部から腐敗しやすくなります。
また、風通しの悪い場所ではカイガラムシが発生しやすくなります。
硬く締まった株に育てるためにも日当たりや風通しには特に注意しましょう。
【水やり】
成長期の夏は土が乾いたらたっぷりと水やりします。
直射日光の当たる場所では真夏は毎日水やりしても問題ありません。むしろ梅雨明け以降は雨ざらしにし、雨風に当てた方が調子よく育ちます。
秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春までは完全に断水します。
春になると葉や花芽が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
梅雨が明けるまでは、土が完全に乾いて数日おいてから天気の良い日に水やりするようにします。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
パキポディウム・マカイエンセは寒さにとても弱いので冬は暖かいところで管理します。
葉を落とした後の休眠期も、硬い表皮の下の葉緑素で光合成を行って寒さに対する体力を静かにつけています。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。