限られた地域にのみ自生する希少塊根種、“ユーフォルビア・カプサインテマリエンシス”です。

マダガスカル - トゥリアーラ州のほぼ最南端にある小さな岬、セントマリー岬（Cape Sainte Marie）のみが原産です。
海に面した風通しの良い石灰岩の岩棚の茂みや、岩の間などに自生しています。

種小名の 'capsaintemariensis' は、産地である“セントマリー岬の”という意味があります（ラテン語読み）

地中に塊根を形成する小型のユーフォルビアで、成熟した株になると塊根径10cm、株径20-30cmほどの大きさに成長します。
塊根からはシルバーグレーの表皮をした枝を伸ばし、枝が延びてくると横方向に広がってきます。

同属の 'Euphorbia decaryi'（ユーフォルビア・デカリー：ちび花キリン）に良く似た見た目をしていますが、デカリーに比べると枝はやや上方向を向いて伸びていきます。
とくに小さな株のうちはその傾向が顕著に表れます。

また、デカリーとカプサインテマリエンシスを見分ける大きなポイントは花と葉の形状にあります。

カプサインテマリエンシスの花柄は、デカリーに比べて長く、上に向かって垂直に伸びていきます。
またデカリーに比べて葉の色は明るいグリーンで、葉のフチのウェーブもやや弱く、より大きく幅の広い葉を出します。
成長はゆっくりなので、枝が何本も出た大きな株になるには長い年月が必要です。

カプサインテマリエンシスはセントマリー岬の中でも、1平方キロメートル程度のごくわずかな限られたところにしか確認されておらず、絶滅の恐れが非常に高い種とされています。（ワシントン条約付属書 I）
幸いにも花付きが良く、種から増やされた個体がまれに出回るので、入手された方は大事に育てましょう。

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【科・属】

Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属

【原産地】

マダガスカル -トゥリアーラ州　セントマリー岬（Cape Sainte Marie）

【置き場所】

一年を通して日光のよくあたる、風通しの良い場所で管理します。
塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアは、日光が不足した場合や、風通しが悪い場合に枝が細長く徒長してしまうため注意が必要です。

ただし、あまりに日光が強い場所では枝や葉が焼けてしまう場合もあるので、その際は若干遮光します。その場合でも風通しは確保しましょう。
日当たりや通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると徒長はある程度防ぐことができます。

【水やり】

成長期は土が完全に乾いてから水やりをします。
ユーフォルビア・カプサインテマリエンシスのような塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアは、水やりの頻度が多いと枝が徒長しやすいので、水はなるべく控えめの方が丈の詰まった良い株になります。
水切れよりも与えすぎに注意しましょう。

気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。

ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。
休眠期の冬でも月に2-3回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
加温している温室では冬になっても休眠に入らない場合もありますので、その際は適度に水やりします。

【肥料】

塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアは、肥料を与えると枝が間延びしやすくなるため、控えめに与えます。
成長はゆっくりになりますが、なるべく時間をかけて持ち込んだほうが締まった良い株になるので、肥料は控えめにしましょう。

成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

ユーフォルビア・カプサインテマリエンシスは寒さに非常に弱いので冬は暖かい場所で管理します。
ですが、ある程度の最低気温を保った状態だと落葉しないまま越冬することもあります。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。

    

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