Fockea multiflora
フォッケア・ムルチフローラ
奥にイモが
ケニアからボツワナ・ジンバブエまでに至る、アフリカ南東部の広い地域が原産です。
標高500-1,000m程度の開けた森林地帯の丘や、岩の多い平原などに自生しています。
種小名の 'multiflora' は、“多花性の”という意味があり、ラテン語の 'multi'(多くの、沢山の)+ 'flora'(花)の合成語です。
紡錘形の塊根を持ったガガイモ科の植物で、大きな個体になると塊根の直径が50cmほどの大きさに成長します。
塊根の頂点からは太い枝を出し、そこからツルを伸ばします。
自生地の大きな株は他の樹木に絡みつきながらツルを伸ばし、その長さは15mほどにまで達することもあるとか。
ツルの党中からは灰色がかった緑色をした、楕円形から長方形の大きな葉を展開します。
小さな株でも葉っぱはとても大きく、成長期になると塊根が隠れてしまうほどです。
また、葉の表面には僅かに微毛が生えています。
フォッケア・ムルチフローラの花は細いヒトデのような形をしています。さすがガガイモ科の植物ですね。
種小名にもあるとおり、うっすらと緑色がかった黄色い花が集まるように沢山咲きます。
残念なことに、フォッケア・ムルチフローラは株がある程度の大きさにならないと開花はしないようです。
ちなみにフォッケア・ムルチフローラの樹液は白いラテックス状をしていますが、毒性が強いらしく、現地では矢毒してしようされていたこともあるそうです。
同属の有名種、'Fockea edulis'(火星人)とはまた違った魅力のある塊根性ガガイモです。
【科・属】
Asclepiadaceae Fockea
ガガイモ科フォッケア属
【原産地】
アフリカ南東部
【置き場所】
一年を通して直射日光のあたる場所で管理します。
日光が不足するとツルや葉が徒長してしまい、だらしない姿になってしまいます。
フォッケア・ムルチフローラは直射日光が不足すると大きな葉が垂れ下がり、色も悪くなります。
また、腐敗しやすくもなりますので、硬く締まった株に育てるためにも日当たりには注意しましょう。
【水やり】
休眠明けの春は、土が乾いてから天気の良い日に水やりをします。
成長期である夏は、直射日光の当たる場所では毎日水やりしても問題ありません。むしろ梅雨明け以降は雨ざらしにし、雨風に当てた方が調子よく育ちます。
秋に入り、涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春まで完全に断水します。
春になり芽吹きだした際は、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
フォッケア・ムルチフローラは寒さに弱いので冬は暖かいところで管理します。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。