Fockea edulis
火星人
でん!とした塊根です。
南アフリカ - 北ケープ州から西ケープ州、そしてナミビア南部の一部の地域が原産です。
乾燥した草原や、なだらかな丘陵の続く岩場などに自生しています。
種小名の 'edulis' は、ラテン語で“食用の”という意味があります。
和名には“火星人”という、一度聞いたら忘れられない名前が与えれています。
小さな突起のある灰白色のツルリとした肌と、塊根の頂点から伸びたツルが特徴のガガイモ科コーデックスプランツです。
和名はそのユニークな株姿から火星人をイメージしたのでしょうか?
その覚えやすい和名にもとても惹かれるものがあります。
成熟した株になると直径1mほどの大きさに育つこともあるそうですが、途方もない年月と自生地の気候が揃わないとそこまで成長することはありません。
自生地では塊根部分は半分ほど地面に埋まっているそうですが、栽培する上では露出させた状態でも特に大きな問題はなく、元気に成長してくれます。
成長期になるとツルをぐんぐんと伸ばしますが、あまり絡みつくような感じではなく、垂れ下がるように伸びてきます。
また、ある程度の大きさの株になると、ツルの途中から淡い緑色をした小さな花を咲かせます。
フォッケア・エデュリスは雌雄異株なので雄株と雌株がないと交配しても種はできません。
また、幹や茎を傷つけるとユーフォルビア属の乳液に似た白い樹液を出します。
でもユーフォルビアと違って強い毒性はありませんのでご安心を。
ちなみに種小名から想像できるように、現地では食用として食べられることもあるそうです。
樹液には強いアルカロイドが含まれるので、食べるためには水に晒したり乾燥させたりする必要があるらしく、かなりの手間がかかるとのこと。
食べるものがあまりない、砂漠地帯ならではとも言えます。
同属に葉のフチが強くカールする 'Fockea crispa' という種もいます。
性質も丈夫で、見た目も面白いフォッケア・エデュリスは万人にオススメできる塊根植物です。
【科・属】
Asclepiadaceae Fockea
ガガイモ科フォッケア属
【原産地】
南アフリカ - 北ケープ州、西ケープ州
ナミビア南部
【置き場所】
一年を通して直射日光のよくあたる場所で管理します。
日光が不足すると枝や茎が徒長してしまい、だらしない姿になってしまいます。
また、フォッケア・エデュリスは直射日光が不足するとツルが必要以上に伸びてしまいます。
硬く締まった株に育てるためにも日当たりと通風は確保しましょう。
【水やり】
休眠明けの春は、土が乾いてから天気の良い日に水やりをします。
成長期である夏は、直射日光の当たる場所では毎日水やりしても問題ありません。むしろ梅雨明け以降は雨ざらしにし、雨風に当てた方が調子よく育ちます。
秋に入り、涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春まで完全に断水します。
フォッケア・エデュリスはある程度気温があると葉を茂らせたまま越冬します。その場合は天気の良い日に少量の水やりをしましょう。
春になり芽吹きだした際は、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
フォッケア・エデュリスは夏型の塊根種にしては寒さには強いほうです。
最低気温5度を保てば葉をつけたまま越冬することも可能ですが、安全に越冬させるためには厳冬期はなるべく暖かい場所で管理しましょう。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。