Bursera odorata
ブルセラ・オドラタ
マニアックなカンラン科コーデックス、ブルセラ・オドラタ
アメリカ合衆国南部 - テキサス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州と、メキシコ北部が原産です。
砂漠地帯に点在する草の僅かに生えた草原や、砂丘の岩場などに自生しています。
種小名の 'odorata' は、ラテン語で“香りのある、芳香性の”という意味があります。
非常に乾燥した砂漠地帯に自生する灌木性の植物で、最大で5mほどの高さに成長します。
幹の形状がボトル状になる低木のコーデックスプランツで、現地で 'Elephant Tree'(象の木)と呼ばれる植物の一種です。
幹の表面は灰褐色から薄い黄土色をした表皮で覆われており、その表皮は年月を経るにつれ少しづつ剥がれ落ちます。
幹の上部から細い枝を伸ばし、そこからは濃い緑色をした小さな葉を繁らせます。
種小名のとおり、葉や枝を触ったりちぎったりすると爽やかな非常に良い香りがします。
また、本種の樹液はメソアメリカ地域の先住民アステカ族に古くから伝わる儀式で用いられる香(コパル)の原料としても使用されています。
ちなみにカンラン科の植物は基本的に芳香性のある葉や枝を持つ種が多いので、なぜ本種にあえてその名が与えられたのかは不明です。
同属の代表種、 'Bursera fagaroides'(ブルセラ・ファガロイデス)とは非常に良く似た見た目をしており、実際に学者によってはシノニム(同種異名)や変種とされる場合もあります。
一番分りやすい判別方法は、花の形状と色(B. fagaroidesは白色、B. odorataは黄色から黄緑色)で判別できるようですが、開花するまでには長い年月が必要なので、判別は困難を極めます。
素人目にも明確な違いを見つけるのは難しいため、札落ちしないよう注意して管理しましょう。
【科・属】
Burseraceae Bursera
カンラン科ブルセラ属
【原産地】
メキシコ - バハ・カリフォルニア州、ソノラ州
アメリカ - アリゾナ州
【置き場所】
一年を通して直射日光のあたる場所で管理します。
ブルセラ・オドラタは直射日光が不足すると枝や茎が徒長してしまい、細長い貧弱な株になってしまいます。
また、丈の詰まった株に育てるためにも風通しの良い場所で管理しましょう。
【水やり】
成長期の夏は土が乾いたらたっぷりと水やりします。
ただし、ブルセラ・オドラタはあまり水やりの頻度が多すぎると細い枝が徒長しやすくなりますので、
一般的な夏型コーデックスよりは控えめにしたほうが丈の詰まった良い株に育つようです。
秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春までは完全に断水します。
春になると葉が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
梅雨が明けるまでは、土が完全に乾いて数日おいてから天気の良い日に水やりするようにします。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ブルセラ・オドラタは寒さに強く、一時的なら0度近くまでの気温に耐えることができます。
ただし、寒さに当てる場合は日中になるべく長時間直射日光に当てましょう。
小さな株や、風の当たる場所は寒さで枯れてしまうこともあるので温室や室内で管理します。
その際も日光がよく当たれば加温する必要はありません。
また、休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。