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Avonia vespertina

アボニア・ベスペルティナ

Avonia vespertina アボニア・ベスペルティナ

ソマリア原産のスベリヒユ科希少塊根植物、アボニア・ベスペルティナ

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マリア原産のスベリヒユ科希少塊根植物、“アボニア・ベスペルティナ”です。


アフリカ大陸きっての乾燥地帯、“アフリカの角”ことソマリア半島の先端付近が原産です。
ソマリア - バリ州、ヌガール州のごく一部の地域のみで自生が確認されており、標高170-215mの範囲の開けた低木林や、石灰岩の岩場の斜面や岩の間に自生しています。

種小名の 'vespertina' は、ラテン語で“夕方の”という意味があります。

小さな塊茎を持った、スベリヒユ科の超小型コーデックスプランツです。
アボニア属といえば南アフリカやナミビアが有名ですが、本種は遠く離れた珍奇多肉植物の宝庫ソマリアに自生している非常に珍しいアボニアです。
なお本種は灼熱の地、ソマリアに自生しているため完全な夏型種となります。

小さな丸いボールのような形状の塊茎の直径は1.5-2.5cmほどにしかならず、自生地では塊茎は完全に地中に埋まっています。

塊茎の上辺からは、アボニア属の代名詞ともいえる鱗状の托葉に包まれた葉を伸ばします。
托葉はスパイラルするように完全に葉を覆うため、本来の葉は見ることができません。

これは他のアボニア属の托葉と同様に、自生地の強烈な太陽や乾燥から葉を守り、葉から水分の蒸散を防いでいるためと考えられています。
白から白銀色に輝くような葉が塊茎の上辺から密集して生える様子は、植物らしからぬ造形の面白さがあります。

ちなみにスベリヒユ科希少塊根植物の人気種、'Avonia alstonii'(アボニア・アルストニー:うつぼ錦)に似た見た目をしていますが、葉の形状や太さ、塊茎の形状などで容易に区別はできます。

成長期のピークを迎える盛夏になると、葉とほとんど同じ見た目をした鱗状の托葉に包まれた花茎を伸ばし、小さな花を咲かせます。
白い花弁を持った花は非常に小さく、直径4-6mmほどしかありません。
花は夕方から夜間にかけて咲き、しかも1日で終わってしまうため見逃しがちです。
種小名の 'vespertina'(夕方の)も本種のこの習性から命名されました。


なお、アボニア・ベスペルティナに非常に近似した種として、'Avonia rhodesica'(アボニア・ローデシカ)という種が知られています。
しかし、面白いことにアボニア・ローデシカの自生地はアボニア・ベスペルティナの自生するソマリアから3,700km以上離れたジンバブエになります(rhodesica:ローデシア(現在のジンバブエ)の、という意味)。
アボニア・ベスペルティナはアボニア・ローデシカに比べて塊茎が小さい、葉の先端が広く断ち切られたように丸い、柱頭が深く3つに裂けている、開花時間帯の相違などの点から完全な別種とされています。
なぜこのような超飛び地に非常に特徴の似通った種がそれぞれ自生しているのか、、、偶発的な収斂進化の結果でしょうか?、、、興味は尽きません。


【科・属】

Portulacaceae Avonia
スベリヒユ科アボニア属

【原産地】

ソマリア - バリ州、ヌガール州

【置き場所】

年間を通して、日光の当たる明るい場所で管理します。
アボニア・ベスペルティナは日照が不足すると葉の徒長、害虫の発生、塊茎の腐敗などを誘発しかねません。

ただし活着前の株や小さい株、塊茎を露出して栽培している株などを真夏の直射日光や西日などに長時間当てると株が弱る場合があります。
日照は十分に確保しつつも、株の状態を鑑みて寒冷紗等を適宜使用してください。

また気温の高い季節に成長する夏型種ですが、湿度の高い場所も嫌います。
風通しの良い場所で管理したり、扇風機で風を当てて通風には気をつけましょう。

【水やり】

成長期である春から初秋にかけて、用土がある程度乾燥してから水やりします。
アボニア・ベスペルティナの自生している環境は世界でも有数の乾燥地帯です。
くれぐれも水のやりすぎには注意してください。

ただし用土が完全に乾燥すると、細根が枯れ株が弱ることもあります。
極乾燥地の多肉植物の水やりはなかなか難しいところがありますが、株の状態を見つつ水やりの間隔を掴んで下さい。

妙薬等のかかった通気性の悪い鉢を使用するよりも素焼き鉢や駄温鉢に植え込み、用土の量も少なめにして、排水・通気の良い用土を用いるようにすると良いかもしれません。
isla del pescado では、上記の環境にて霧吹きなどでこまめにシリンジしつつ、たまにたっぷり水やりするようにするように管理しています。

涼しくなってくるにつれ徐々に水やりの回数と間隔を減らし、寒い季節は断水気味に管理します。
加温設備のある栽培環境では、休眠に入っている時期もごく少量の水やりをすることで細根の枯死を防ぎ、翌春以降の立ち上がりが良くなる場合もあります。
休眠期に水やりする場合は、軽くシリンジする程度か、用土が軽く湿る程度のごく少量にしてください。
また、気温が高く好天の続く日の午前中に行い、気温の下がる夜間までにはほぼ乾いているようにしましょう。

【肥料】

成長期の初秋や春に数度、微量元素が不足しない程度に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、緩効性の化成肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

アボニア・ベスペルティナは非常に寒さに弱いため、冬季は可能なかぎり暖かい場所で管理します。
できれば夜間の最低気温は15度以上確保したほうが安全に越冬できます。
休眠している厳冬期も、日中に植物や鉢・用土を日光にあてて温めると耐寒性も増します。