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Avonia quinaria

アボニア・クイナリア

Avonia quinaria アボニア・クイナリア

鮮烈な花色が美しい小型コーデックスプランツ、アボニア・クイナリア

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烈な花色が美しい小型コーデックスプランツ、“アボニア・クイナリア”です。


ナミビア - カラス州ヴァルムバート(Warmbad)から国境であるオレンジ川を挟んだ南アフリカ - 北ケープ州ビターフォンティン(Bitterfontein)、カイモス(Keimos)にかけてが原産です。
標高500-700mの範囲の、赤い珪岩で形成された平原地帯や、小石の多い丘陵のスロープに自生しています。

種小名の 'quinaria' は、ラテン語で“五つの”という意味があり、これはアボニア・クイナリアの花弁の数に由来しているようです。
現在ではほとんど使われることはありませんが、かつて日本では“群蚕”という和名が与えられていたようです。

地中に埋まった塊茎から不思議な形状の葉を伸ばすスベリヒユ科のコーデックスプランツです。
塊茎は大きくて直径3-5cm程度、世紀をまたいできたような古株になると10cm近い大きさに育つこともあるようです。

塊茎は蕪形からコマ型の形状をしており、天辺は平らです。
その天辺一面から、まるで小さなイモムシのような菌類のような、銀色に輝く葉をびっしりと展開します。

この銀色に輝く葉に見えるものは、托葉(たくよう)という葉柄の付け根から生える対になった葉状片が発達したもので、本来の葉にあたる部分は見えません。
アボニア・クイナリアはこの托葉がやや螺旋状に伸びる点が特徴です。

平べったい塊茎から銀色の葉が生えた姿だけでも十分魅力的ですが、アボニア・クイナリアは花が美しいことでも有名です。

初夏から晩夏にかけて、葉の先端が膨らんだような蕾を伸ばし、1.5cmほどの小さな花を咲かせます。
花の色には個体差がありますが、一般的には紫がかったバイオレットカラーをしています。
この濃いバイオレットと雄しべの黄色い花粉とのコントラストがとても綺麗です。
残念ながら花の開花時間は短く、昼過ぎから夕方にかけてのみ開花します。


なお、本種の近縁種として 'Avonia alstonii'(アボニア・アルストニー:うつぼ錦)が知られています。
日本ではアボニア・アルストニーが圧倒的に有名なためか、本種はアボニア・アルストニーの赤花種とされている場合もあります。

アボニア・アルストニーは花の色が白から薄ピンクで、花のサイズも2.5-3cmほどの大きさに育つため、基本的には別種です。
ただややこしいことに分類によってはアボニア・アルストニーは本種の亜種(Avonia quinaria ssp. alstonii)とする場合もあったり、シノニム(同種異名)とする場合もありますが、一応植物分類的には別種なので意識してみると面白いかもしれません。


【科・属】

Portulacaceae Avonia
スベリヒユ科アボニア属

【原産地】

ナミビア - カラス州ヴァルムバート(Warmbad)から、南アフリカ - 北ケープ州ビターフォンティン(Bitterfontein)、カイモス(Keimos)にかけて

【置き場所】

アボニア・クイナリアの成長期は日中暖かく、夜間は涼しい春と秋です。

成長期である秋から春にかけては、日光のあたる明るい場所で管理しましょう。
基本的に日光を好みますが、照り返しのキツい場所や、長時間西日が当たる場所は適度に遮光します。

アボニア・クイナリアは蒸し暑さを嫌うため、気温の上がる夏は少し遮光をして、風通しの良い場所で管理します。
また春や秋の涼しい季節を好みますが、厳しい寒さには弱いため厳冬期は屋内に取り込んで越冬させます。

【水やり】

春と秋の成長期は用土が乾いてから水やりします。
水やりする際は、好天が続く湿度の低い日を狙って水やりしましょう。

日本では梅雨入りし、蒸し暑くなってきてからは水やりを控えめにします。
特に真夏の水やりは、風のある涼しい夜に行うなど、慎重に行いましょう。

また、小さな株ほど頻繁に水やりし、大きな株ほど水やりの間隔を明けるようにします。
水やりの仕方次第では大株の方が腐ってしまう事が多いようです。

晩秋を過ぎ寒さが厳しくなってきてから春までは断水気味に管理します。
冬季に水やりする際は、天気の良く気温が高い日が続く日にごく少量だけ水やりします。

アボニア・クイナリアは一般的に冬型(春や秋の涼しい季節に成長する)と言われていますが、夏も適度に水を与えた方が花付きが良くなるようです。
開花時期は主に夏ですが、以前暑い時期の水やりを辛くしたところと花付きが極端に悪くなってしまいました。
クイナリアをとても上手に育てているナーセリーの方に相談したところ、「夏でも適度に潅水しないと蕾をつけない」とのこと。
試しに恐る恐る水やりしてみたところ、確かにたくさん蕾をつけました。

実生苗か現地球かによる違いもあるかもしれませんが、冬型といわれるクイナリアでもこのような事例もあります。
また、海外のフォーラムなどではアボニア・クイナリアは夏型として扱われている場合もあります。

この栽培方法はあくまで isla del pescado での栽培方法ですので、それぞの環境に合わせて工夫してみてください。
経験上、現地株は水やりは辛め、ナーセリーで実生で育てられた株は現地株よりは多めの水やりで調子良く育っています。

【肥料】

成長期の初秋や春に数度、微量元素が不足しない程度に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、緩効性の化成肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

アボニア・クイナリアは涼しい季節に成長する植物のため、寒さには比較的強いほうです。
断水した状態ではある程度の寒さに耐えることはできますが、冬は暖かい環境で管理した方が安全に越冬できます。
寒さよりも夏の蒸し暑さに気をつけ、夏は風通しの良い涼しい場所で管理しましょう。