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Aztekium ritteri

アズテキウム・リッテリ(花籠)

Aztekium ritteri アズテキウム・リッテリ(花籠)

至高の珍種サボテン、“花籠”ことアズテキウム・リッテリ

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高の珍種サボテン、“アズテキウム・リッテリ”です。


メキシコ北東部 - ヌエボ・レオン州に位置する標高800mほどの村、ラヨネス(Rayones)が原産。
世界中でもこの村の郊外の崖の3箇所にのみ、わずかな個体群が確認されています。
もろい石灰岩で形成された崖の表面は粘土や硬石膏岩で覆われており、垂直に切り立った崖に生えた苔類やシダ植物に紛れ、へばりつくようにして自生しているそうです。

属名の 'Aztekium' は、このサボテンの造形がメキシコの古代文明、アステカ(Aztec)の彫刻に通づるものがあったため名づけられました。

種小名の 'ritteri' は、この植物の発見者でもあるドイツ人植物学者、フリードリッヒ・リッター博士(Dr. Friedrich Ritter)の名をとって命名されました。
日本では古くから“花籠”(はなかご)という有名な和名で親しまれています。

硬く縮こまったような球体に無数のヒダが入った独特の外観を持ったサボテンです。
個体数の少なさや自生地の環境から、国際的な商用取引が一切禁止されるワシントン条約付属書 I(CITES Appendix 1)に指定された途端に密漁や乱獲が進み、今では野生個体はほぼ絶滅寸前までいってしまったという悲しい歴史を持つ種としても有名です。

球体はやや潰れたような形をしており、成長しきっても直径5-6cmほどにしかなりません。
白粉を吹いたような、くすんだ青磁色の表皮には深いシワやヒダが入っており、厳かな風格を感じさせる独特の佇まいをしています。

トゲは成長点付近からわずかに生えますが、すぐに脱落し、綿毛状の刺座(アレオーレ)が残り続けます。
また成長期の春から夏にかけて、うっすらとピンク色がかった白い小さな花を咲かせます。

花籠の大きな特徴の一つとして、その成長の遅さも挙げられます。

5,000種を超えるとも言われるサボテン科の植物の中でもっとも成長が遅い種とも言われており、一年で成長する大きさは1mmから2mm、種から育ててマッチ棒の頭ほどの大きさになるにも3年はかかると言われています。
球体が成長し、仔株を吹くまでには何十年という長い年月が必要です。

栽培の難しさよりも、あまりの成長の遅さからか接ぎ木で栽培されることも多くあります。
接ぎ木株は成長は早く、仔株もすぐに吹きますが、水膨れしたような不自然な形になることも多いので、できれば実根の株を育ててみてください。

直径2-3cmの小さな株でも感じられる骨董品のような枯れた趣きは、その大きさに成長するまでにかかった年月がそこはかとなく滲み出ているからなのかも知れません。


花籠は1928年に発見されて以来、一属一種のサボテンとされていましたが、1990年にやや大型な
'Aztekium hintonii'
(アズテキウム・ヒントニー)が発見されました。
さらに2011年には 'Aztekium valdezii'(アズテキウム・バルデジー:紅籠)という、バイオレットカラーの花をもつ、ごく小型の近似種も発見されました。

近年では個体数の少なさや成長の遅さ、海外からの輸入がほとんどなくなったためか手放す人が少なくなり、ほとんど流通しなくなって高値の花となった花籠。
それでも一生付き合えるほどの寿命の長さと魅力を持った種なので、入手された方は何十年も付き合うつもりで大事に育ててください。


【科・属】

Cactaceae Aztekium
サボテン科アズテキウム属

【原産地】

メキシコ - ヌエボ・レオン州 ラヨネス(Rayones)

【置き場所】

年間を通して明るい場所で管理します。
アズテキウム・リッテリは自生地では強い日光を避けるように、北に面した崖に生えていることが多いようです。
日光が強いと表皮がカザブタのようになって焼けてしまうため、寒冷紗などで適度に遮光した環境で管理しましょう。
とくに真夏の西日や、長期間断水する冬は日焼けやすいので注意しましょう。
ただし、あまりに日光が不足すると球体が徒長したり、腐敗してしまいます。

またアズテキウム・リッテリは蒸し暑さを嫌うため、風通しの良い場所で管理します。

【水やり】

春から秋にかけての、気温が高い時期に成長します。
アズテキウム・リッテリはその見た目にそぐわず、成長期は意外に水を好むため用土が完全に乾き切る前に水やりします。

ただし大きな株ほど、潅水と乾燥のメリハリをつけて水やりするようにします。
水やりする際は風通しの良い場所で水やりし、用土が長時間湿ったままにならないように注意しましょう。

寒さが厳しくなる寒冷期は基本的には断水気味に管理します。

休眠期でも小さな株は細根が枯れないように、ごく少量の水やりをする場合もあります。
休眠期中に水やりする際は、天気の良い暖かい午前中にごく少量だけ水やりしましょう。

【肥料】

成長期に数度、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

アズテキウム・リッテリは断水した状態ではある程度の寒さに耐えることができます。
ただし小さな株や、日照時間が短い場所で管理する場合は暖かい場所で越冬した方が安全です。
冬の寒さよりも夏の蒸し暑さに気をつけましょう。