Pachypodium saundersii
白馬城
むっちりとつまった株
南アフリカ北東部から、スワジランド・ジンバブエ南部にかけてが原産です。
乾燥した低木林や、岩の窪みなどに自生しています。
種小名の 'saundersii' は、最初の標本株をクワーズナタール州で採集したチャールズ・ジェームズ・ルノー・ソーンダース卿(Sir Charles James Renault Saunders) の名をとって命名されました。
日本では“白馬城”という上品な和名が与えられています。
どっしりと太い柱状の胴体と、細かく分岐したトゲだらけの枝がパキポディウム・サウンデルシーの大きな特徴です。
また、“白馬城”という和名のとおり、表皮は真っ白な肌をしています。
成熟した株は高さ1.5m、幹の直径60cmほどの大きさにまで育つこともあるそうです。
長いトゲを生やした枝からは、光沢のある少しカールした小さな葉を展開します。
夏の終わりになると真っ白な花を沢山咲かせますが、中にはややピンクがかった花を咲かせる珍しい個体もいるようです。
以前は同じく南アフリカ産の 'Pachypodium lealii'(パキポディウム・レアリー) の変種として考えられていたそうですが、花序の形状等の違いから別種と再分類されました。
また、パキポディウム・サウンデルシーの自生している地域は、冬になると0度近くにも下がることもあるので、マダガスカル産のパキポディウムに比べると耐寒性はとても高いのが特徴です。
パキポディウムというとマダガスカル産が有名ですが、性質も丈夫で、樹形も花もキレイなサウンデルシーは実はとてもお勧めな優良種です。
【科・属】
Apocynaceae Pachypodium
キョウチクトウ科パキポディウム属
【原産地】
南アフリカ北東部、スワジランド、ジンバブエ
【置き場所】
一年を通して直射日光のよくあたる場所で管理します。
パキポディウムの仲間を栽培する上で日光はとても重要です。
日光が不足すると幹や枝が徒長しやすくなり、日光不足の状態で長時間栽培すると根腐れを起こしたり、株の内部から腐敗しやすくなります。
また、サウンデルシーは直射日光が不足すると枝がひょろひょろと伸びてしまい、花芽の付きも悪くなります。
また、風通しの悪い場所ではカイガラムシが発生しやすくなります。
硬く締まった株に育てるためにも日当たりや風通しには特に注意しましょう。
【水やり】
成長期の夏は土が乾いたらたっぷりと水やりします。
直射日光の当たる場所では真夏は毎日水やりしても問題ありません。むしろ梅雨明け以降は雨ざらしにし、雨風に当てた方が調子よく育ちます。
秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、本格的に寒くなりだした頃から春までは完全に断水します。
春になると新芽が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
梅雨が明けるまでは、土が完全に乾いて数日おいてから天気の良い日に水やりするようにします。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
サウンデルシーは基本的に暖かい気温を好みますが、寒さに弱いパキポディウムが多い中でも寒さには強い種です。
最低気温5度を確保できれば問題なく越冬が可能です。
ただし、体力のない小さい株は暖かい環境で越冬させましょう。
無加温で越冬する場合は休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。