Pachypodium rutenbergianum
パキポディウム・ルテンベルギアナム
世界最大のパキポディウム、パキポディウム・ルテンベルギアナムです
マダガスカル - 南西部のトゥリアラ州が主な自生地ですが、島の全域にわたって分布しています。
標高400mまでの落葉性の乾燥林や、海岸線沿いのブッシュ、花崗岩で形成された荒れ地に自生しています。
種小名の 'rutenbergianum' は、19世紀にマダガスカルで悲劇の死を遂げた探検家でもあるドイツ人プラントハンター、ディートリヒ・クリスチャン・ルーテンバーグ氏(Diedrich Christian Rutenberg)の名をとって命名されました
マダガスカル、南アフリカに分布するパキポディウム属の中でも最大の大きさを誇る巨大種で、最大で高さ9mに達することもあります。
幹の直径は60cmにもなり、先端が先細りとなった円柱状や、ほっそりしたボトルのような形状をしています。
まるで巨大な葉巻や、どこかの神殿にある巨大な柱のような見た目です。
幹の表面は突起やささくれなどがない、硬く滑らかな質感をしていますが、小さな株や成長点付近には長さ1cmほどのトゲが生えています。
基本的に単幹で育ち、枝らしい枝は出しませんが、成長点に問題のあった場合や成熟した大株になると幹が分岐することがあります。
幹の先端付近からは主葉脈に沿って船形に折れ曲がった細長い葉を繁らせます。
葉は光沢のある明るい緑色をしていて、先端付近が細く尖っています。
かなり大きな株にならないと開花しませんが、成熟した株はプルメリアのような大きくて白い花を咲かせます。
花はとても良い香りがするそうなので、どんな香りか知りたいですね。
大型種だけあり、他のパキポディウム属に比べると成長は早く、特に小さな株はグングンと成長します。
なおパキポディウム・ルテンベルギアナムには、'Pachypodium rutenbergianum var. meridionale'(パキポディウム・メリディオナレ)、'Pachypodium rutenbergianum var. sofiense'(パキポディウム・ソフィレンセ)という2つの変種が知られています。
“パキポディウム最大種”という称号があるため非常に魅力的な種ですが、ゆとりある栽培環境がない場合は大きく育ちすぎないよう締めて育てましょう。
【科・属】
Apocynaceae Pachypodium
キョウチクトウ科パキポディウム属
【原産地】
マダガスカル - トゥリアラ州
【置き場所】
一年を通して直射日光のよくあたる場所で管理します。
パキポディウムの仲間を栽培する上で日光はとても重要です。
日光が不足すると幹や枝が徒長しやすくなり、日光不足の状態で長時間栽培すると根腐れを起こしたり、株の内部から腐敗しやすくなります。
パキポディウム・ルテンベルギアナムは寒さに弱いので、冬場でも日光のよく当たる場所で管理し、寒さに当てないようにしましょう。
また、風通しの悪い場所ではカイガラムシが発生しやすくなります。
硬く締まった株に育てるためにも日当たりや風通しには特に注意しましょう。
【水やり】
成長期の夏は土が乾いたらたっぷりと水やりします。
直射日光の当たる場所では真夏は毎日水やりしても問題ありません。むしろ梅雨明け以降は雨ざらしにし、雨風に当てた方が調子よく育ちます。
秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春までは完全に断水します。
春になると葉や花芽が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
梅雨が明けるまでは、土が完全に乾いて数日おいてから天気の良い日に水やりするようにします。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
パキポディウム・ルテンベルギアナムは寒さに弱いため、冬は暖かいところで管理します。
葉を落とした後の休眠期も、表皮の下の葉緑素で光合成を行って寒さに対する体力を静かにつけています。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。