独特の質感が特徴の 'Pachypodium lamerei'（パキポディウム・ラメレイ）の園芸品種、“トゲなしラメレイ”です。

丈夫で成長も早い普及種であるパキポディウム・ラメレイの突然変異個体で、原種の大きな特徴である鋭いトゲがほとんど生えない面白い見た目が特徴です。

原種も高さ2mを超えるあたりから幹からトゲは脱落し、枝や幹の先端部分にのみにしかトゲが生えてこなくなりますが、“トゲなしラメレイ”と呼ばれる個体は小さな株のうちからトゲがなく、本来トゲが生える部分にはトゲの痕跡のような模様のみ残るという特徴があります。
まれに一部からトゲが生える場合もありますが、生えてきたトゲも細くて弱々しい感じです。

そのトゲの痕跡であるボコボコとした模様は熱帯果実の表皮のようです。
また、一見するとクワ科の塊根種、'Dorstenia foetida'（ドルステニア・フォエチダ）のようにも見えますね。

原種のラメレイは高さ1-2mを超えるまでは基本的に単幹で育ちますが、“トゲなしラメレイ”と呼ばれる個体は小さな個体でも分岐しやすく、枝を沢山出す点も特徴です。
葉の形状も原種と比べると長さも短く、やや小ぶりです。

パキポディウム属の魅力であるトゲトゲしさやガチっとした質感はありませんが、攻撃力や防御力の欠落した独特の優しい魅力のある不思議なパキポです。

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【科・属】

Apocynaceae Pachypodium
キョウチクトウ科パキポディウム属

【原産地】

園芸種

【置き場所】

一年を通して日光のよくあたる明るい場所で管理します。
パキポディウムの仲間を栽培する上で日光はとても重要です。

日光が不足すると幹や枝が徒長しやすくなります。
また、日光不足の状態で長時間栽培すると根腐れを起こしたり、株の内部から腐敗する可能性があります。

また、風通しの悪い場所ではカイガラムシが発生しやすくなります。
硬く締まった株に育てるためにも日当たりや風通しには特に注意しましょう。

【水やり】

成長期の夏は土が乾いたらたっぷりと水やりします。
直射日光の当たる場所では真夏は毎日水やりしても問題ありません。むしろ梅雨明け以降は雨ざらしにし、雨風に当てた方が調子よく育ちます。

秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春までは完全に断水します。
春になると葉や花芽が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。

梅雨が明けるまでは、土が完全に乾いて数日おいてから天気の良い日に水やりするようにします。

【肥料】

成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

トゲなしラメレイは寒さに弱いため、冬は暖かいところで管理します。
葉を落とした後の休眠期も、表皮の下の葉緑素で光合成を行って寒さに対する体力を静かにつけています。
休眠中も適度に日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。

    

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