Haworthia lockwoodii
ハオルチア・ロックウッディー
徐々に休眠へ移行中
南アフリカ - 西ケープ州の ラングズバーグ(Laingsburg) 周辺が主な原産地で、その狭い範囲の中でも産地によって形状に若干の違いがあります。
種小名の 'lockwoodii' は、自生地であるラングズバーグに在住していた往年のハオルチアコレクター、S. Lockwood氏にちなんで命名されたそうです。
窓の美しさや、筋の入り方に一番の魅力があるハオルチアですが、このロックウッディーには葉の先端から真ん中にかけて、カサカサに乾燥した葉が残り続けるという特殊な生態があります。
現地の強烈な太陽から株の中心の成長点を守るために、自ら葉を枯れこませることによって太陽の熱と光を和らげるためと考えられています。
太陽の光に対して強くなるように進化するのではなく、逆に自分の体の一部を“日傘”代わりにするという、面白い進化をしたハオルチア・ロックウッディー。
一度根付いてしまうと自分で移動できない植物ならではの進化をしていますね。
小さな株のうちは葉の先端もそれほど枯れこまず、普通のハオルチアのような見た目をしているのですが、成長するにつれて徐々にロックウッディーらしくカサカサに育ちます。
また、ロックウッディーは夏になり太陽の日差しが強くなるにつれ休眠に入り、より一層葉が枯れこんで、カサカサの白い玉ねぎのような見た目になります。
こんなに面白い形態をしたロックウッディーですが、一般的なハオルチアよりも栽培が難しいのが難点。
蒸し暑さにとっても弱いので、休眠期の夏に水を切りすぎると乾燥しきって枯れてしまい、休眠期に水やりすると簡単に腐ってしまうという気難しい性質を持っています。(適切な管理方法が分かるまでに何株も腐らせてしまいました、、、)
また成長がとても遅い上に子株を吹きにくく、葉挿しの成功率も低いので種から地味に増やすしかないのも普及しにくい原因のひとつのようです。
【科・属】
Liliaceae Haworthia
ユリ科ハオルチア属
【原産地】
南アフリカ - 西ケープ州 ラングズバーグ(Laingsburg)周辺
【置き場所】
ハオルチア・ロックウッディーは強い日差しを嫌うため、ある程度遮光した環境で管理します。
isla del pescado では小さな株は50%程度、大株でも30-40%程度は遮光して管理しています。
日差しが強いとロックウッディーの特徴の葉の乾燥が進み、カサカサした生態を楽しめますが、あまり日差しが強いと株のダメージが大きくなり成長に支障が出る印象があります。
また、蒸し暑さに非常に弱いので、暑い季節は風通しの良いところで管理しましょう。
【水やり】
ハオルチア・ロックウッディーは涼しい季節に成長します。
春と秋は土が乾いてから水やりするようにします。
梅雨入り以降の蒸し暑い季節は、水をやり過ぎると蒸れて腐やすいので、土が完全に乾いてから夕方以降の涼しい時間帯に軽く水やりする程度にしています。
特に熱帯夜になる時期は涼しい日を選んでごく少量の水やりをするのみにしましょう。
ただし、あまり乾燥させすぎると完全に枯れてしまいます。特に保水力のない小さい株は注意しましょう。
冬になると成長が止まりますので暖かくなるまでは月数回、天気の良い暖かい日に軽く水やりする程度にします。
【肥料】
成長期に数回、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ハオルチア・ロックウッディーは寒さには比較的強いので、温暖な地域では通年屋外で管理可能です。
冬季に屋外で管理する場合は簡単な温室や霜よけができるようにしましょう。
雪が積もるような厳冬地や、頻繁に0度以下になるような地域は室内で管理したほうが安全に越冬できます。
【害虫】
ハオルチアの仲間は根ジラミやカイガラムシがつきやすく、乾燥する冬は特に注意します。
これらの虫は湿度を嫌うため、霧吹きでたまに水をかけてあげるとある程度予防できます。
もしカイガラムシがついてしまった場合は、薬剤を散布するか、綿棒などでこすり落とします。
虫が全体についてしまった葉や、枯れて弱った葉はなるべく除去しましょう。
用土にオルトラン等の薬剤を混ぜ込んでおくと害虫はある程度予防できます。
※ハオルチア・ロックウッディーのような難物と呼ばれる種は、栽培者それぞれ独自の育て方があると思いますので、isla del pescadoの育て方はあくまで参考程度にしてください。