Aloe suprafoliata
アロエ・スプラフォリアータ
互生の葉が特徴の人気アロエ、アロエ・スプラフォリアータ
南アフリカ - クワズール・ナタール州からムプマランガ州、および隣接するスワジランドが原産です。
モザンビーク国境付近からリンポポ州まで連なるレボンボ山脈が主な自生地として知られており、標高180-800mの範囲の低山地帯の草原や、岸壁の割れ目や窪みに溜まった浅い土壌に自生しています。
種小名の 'suprafoliata' は、ラテン語で“上に葉が多い”という意味があり、'supra-'(上の、の接頭辞)+ 'foliatum'(葉の多い)の合成語です。
古い日本の多肉植物の和名辞典を確認したところ、かつては“大羽錦”という和名が与えられていたようです。
ユニークな株姿から一目で本種と分かる特徴を備えた小型のアロエです。
大きく成長すると株の直径30cm程度に成長します。
最大の特徴はきっちりと左右に広がった葉を展開するその株姿です。
非常に短い茎から生える細長い槍先状の葉は、古い葉の上にキレイに積み重なりながら互生します。
葉は最大で30-40cmほどの長さまで伸びますが、成長するにつれ下にむかってカーブしていきます。
古い葉は枯れた後も永続的に残り続け、年月を経るごとに地層のようになります。
まるで本を開いたかのようにも見えるため、英名では 'Book Aloe'(本アロエ)と呼ばれています。
ただし、このユニークな株姿は株が若い時のみで、成熟した株は徐々に葉を転回するように伸ばし始め、最終的にはロゼット状へと変化します。
とはいえ株が成熟するまでには長い年月が必要なため、硬く締めて育て続けた場合は長期に渡ってこの姿を楽しむことができます。
一般的なアロエと比べて厚みの薄い多肉質な葉の表面は綺麗なエメラルドグリーンをしていますが、日光に長時間当たった株や、ある程度の寒さに当たった株はうっすらと紫がかった色をしています。
また歯のフチには赤茶色をした小さなトゲを生やしますが、トゲは柔らかく触っても大して痛くはありません。
気温が下がり涼しい季節になってくると、60-1mほどの長さの花茎を伸ばし穂状花序の花を咲かせます。
先端の尖った円錐状をした花はローズピンクの美しい色合いです。
なおアロエ・スプラフォリアータは基本的に単頭育ちますが、大きく成長した成株は根元から仔株を吹くことがあります。
性質も丈夫で姿形も他種にない形状をしているため、ベテランから少し変わったアロエを育ててみたい方、万人におススメの優良種です。
【科・属】
Liliaceae Aloe
ユリ科アロエ属
※アロエ科(Aloaceae)とする場合もある
【原産地】
南アフリカ - クワズール・ナタール州からムプマランガ州にかけて
スワジランド
【置き場所】
年間を通して日光の当たる明るい場所で管理します。
アロエ・スプラフォリアータは暗い場所で管理すると葉が徒長し、だらしない株姿となります。
また日光が不足すると葉の緑色が強くなり、本種のうっすらと紫がかった美しい葉の色を楽しむことができません。
ただし真夏の直射日光や水を控えている時期の西日などに長時間当てると、葉が焼ける場合があります。
その場合は寒冷紗等で適度に遮光してください。
また風通しの悪い場所で管理すると害虫が発生しやすくなります。
なるべく風通しの良い場所で管理し、室内で育てる際はシーリングファンや扇風機などで風を送るように工夫してください。
【水やり】
アロエ・スプラフォリアータは春から秋にかけての暖かい季節に成長します。
成長期は用土の表面が乾燥してから水やりしてください。
成長期に水を沢山与えると成長スピードは速くなりますが、草姿が乱れたり、葉が徒長しやすくなります。
成長はゆっくりとなりますが、本種は水やりは控えめの方が締まった株姿となります。
気温が下がり、新しい葉の展開が止まり始めるころから徐々に水やりを控え、翌春まで断水気味に管理します。
ただし休眠中も月に数回、軽く用土を湿らせると細かい根が完全に枯死することが防げ、翌春以降の立ち上がりが良い場合があります。
寒い時期に水やりする場合は好天の続く気温が高い日を狙って午前中にごく少量の水やりし、気温の下がる夜間までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
春になると葉が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきましょう。
【肥料】
成長期に数回、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、緩効性の化成肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
暖かい季節を好みますが、蒸し暑いような気温は嫌います。
蒸すような暑さの高温期は棚上などの涼しい場所で管理してください。
アロエ・スプラフォリアータは比較的高所に自生するため、断水に近い状態であれば0度近い気温まで耐えることができます。
ただし低温に晒す場合も風には当たらないようにし、日中は適度な日光に当てて鉢や用土、株自体を温めるようにしてください。