ハイブリッド・ユーフォルビアの有名種、“蘇鉄キリン”です。

ユニークな姿の人気種、'Euphorbia bupleurifolia'（鉄甲丸）と、性質が丈夫な柱状種、'Euphorbia mammillaris'（鱗宝）を掛け合わせて作出された“怪魔玉”に、さらに元親の“鉄甲丸”を掛け合わせて作出された交配種です。

作出元は不明ですが、海外ではあまり見かけることはないので、おそらく日本で作出されたのではないかと思います。

“蘇鉄キリン”の名前どおり、すっと伸びた姿がミニチュアの蘇鉄に見えてきませんか？
葉の落ちた跡はゴツゴツした幹となって残り、なかなか見ごたえがあります。

小さいうちからよく仔吹いて、挿し木で増やすことも容易です。
性質も丈夫なため、花屋さん等でもよく売られているのを見かけるのですが、見かけるのは小さい株が多いようです。
年月を経て大きく育った株は幹が木質化していき、なかなか風格のある姿へと成長します。

蘇鉄キリンも含めた、鉄甲丸との交配種をめぐる推察は、“蛾眉山”の項を参照してください。

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【科・属】

Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属

【原産地】

日本（人工交配種）

【置き場所】

一年を通して日光のよくあたる、風通しの良い場所で管理します。
あまりに日光が強い場所では焼けてしまう場合もあるので、その際は若干遮光します。その場合でも風通しは確保しましょう。

日光が不足したり風通しが悪い場合、徒長しやすくなってしまうため注意が必要です。

日当たりや通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると徒長はある程度防ぐことができます。

【水やり】

成長期は土が完全に乾いてから水やりをします。水は控えめの方が徒長しにくくなりに締まった良い株になります。水切れよりも与えすぎに注意しましょう。

気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。

休眠期の冬でも月に2-3回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
加温している温室では冬になっても休眠に入らない場合もありますので、その際は適度に水やりします。

【肥料】

肥料が多いと間延びしやすくなるため、控えめに与えます。
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

蘇鉄キリンは寒さに弱いので冬は暖かい屋内で管理します。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。

    

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