Euphorbia susannae
瑠璃晃
密集しています
南アフリカ - 西ケープ州のラディスミス(Ladismith)からカリッツドープ(Calitzdorp)にかけてに点在する一部の地域が原産です。
標高500mほどの位置に広がる、リトルカルーと呼ばれる半砂漠気候の高原に自生しています。
この地域一帯は年間雨量が150mmほどで、強い日差しと風に晒される過酷な環境です。
種小名の 'susannae' は、この植物を発見した南アフリカの植物学者、ジョン・ミュアー博士(Dr. John Muir)の妻、スザンナ・ミュアー氏(Susanna Muir)の名をとって命名されました。
日本では古くから“瑠璃晃”(ルリコウ)という和名で親しまれています。
コロコロとした小さな球状の茎が特徴の小型種です。
球体は3-4cmほどの大きさにしかなりませんが、茎の周りから次々と仔吹き、群生しながら成長します。
栽培された株はこんもりとした半ドーム状に育ちますが、自生地では横に広がるような株姿となり、群生は30-40cmほどの大きさにまで成長することもあるそうです。
明るい緑色をした茎は12から16ほどの稜をもっていて、稜からはギザギザとしたノギがたくさん生えています。
単体で見るとなにか植物の実や、花の蕾のようにも見えますね。
成長期になると、それぞれの茎の頂点付近から黄色く鮮やかな花を咲かせます。
小さいながらも満開に花が咲いた様子は、なんとも言えないユニークで美しい姿です。
仔株をもぎり茎挿しで増やすこともできるため、比較的入手もしやすい種です。
そのためか分りませんが、たまに園芸店などに“ドラゴン・ボール”という商業ベースに乗せるための良く分からない名前で売られていることもあります。
確かに一般の人には“瑠璃晃”や、“ユーフォルビア・スザンナエ”という名は覚えにくいのかも知れませんが。。。
ちなみに、'Euphorbia suzannae'(suza... => suza...)という名で扱われていることがありますが、これは種小名の元となったスザンナ氏の正しいスペルが(Suzanna)だったという説から、正しいスペルであるべき、というところからきているようです。
自生地ではごく一部の場所でしか確認できないらしく、野生株を見るのはなかなか困難だそうです。
そんな希少な種が今では容易に入手できるのはなんともありがたいことです。
【科・属】
Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属
【原産地】
南アフリカ - 西ケープ州 ラディスミス(Ladismith)からカリッツドープ(Calitzdorp)にかけて
【置き場所】
一年を通して日光のあたる明るい場所で管理します。
日光が不足すると球体が徒長して姿が乱れるうえ、軟弱な株になってしまいます。
また、風通しの良い場所で管理しましょう。
ただし、園芸店などの暗い環境で管理されていた株をいきなり長時間日光に晒すと焼けてしまう場合があります。
その場合は寒冷紗などで適度に遮光するか、徐々に日光に当てる時間を長くして慣れさせましょう。
日当たりや通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると徒長はある程度防ぐことができます。
【水やり】
成長期は土が完全に乾いてから水やりをします。
ユーフォルビア・スザンナエのような球形のユーフォルビアは体内に水をたくさん貯めることができる為、水やりは他のユーフォルビアより少なめにしましょう。
水切れよりも与えすぎに注意します。
また、球が大きい古株ほど水やりの間隔はあけるようにしましょう。
小さな株よりも大きな株の方が突然腐ってしまうことがあります。
気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。
休眠期の冬でも月に1-2回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。
その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
【肥料】
球状のユーフォルビアは肥料をたくさん与えると大きくなりやすいのですが、いびつな形に育つことも多いので控えめに与えます。
なるべく時間をかけて育てたほうが締まった良い株になるので、肥料は控えめにしましょう。
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【温度】
ユーフォルビア・スザンナエは、断水した状態ではかなりの低温に耐えることができます。
ただし低温に晒す場合、日中はなるべく長く日光に当て、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。
また、温度の低い状態で用土が湿っていると根腐れしやすいため注意しましょう。