Euphorbia primulifolia
地むぐり花キリン
どっしりした構えのユーフォルビア・プリムリフォリア
マダガスカル南部から西部にかけての高原地帯、イサロ地方(isalo)が原産。
この地方特有の赤土(ラテライト)の土壌の草原や、渓谷に点在する灌木の下などに自生しています。
種小名の 'primulifolia' は、古典園芸植物で有名なサクラソウ科(プリムラ)と花の形状が似ているところから命名されました。
日本では古くから“地むぐり花キリン”という和名で親しまれています。
むっちりボテッとしたイモのような塊根が特徴で、コーデックスマニアの間ではひそかな人気があります。
このイモの部分は自生地では完全に土の中に埋まっています。
和名の“地むぐり(地潜り)”もその生育形態から名づけられました。
成長期になると塊根の先端から楕円形の葉を茂らせます。
長い年月を経た古株になると成長点がいくつも分かれ始め、株のあちこちから葉や花を出しはじめます。
また、その不格好ながらも可愛らしいイモからは不釣合いなほど小さくキレイな花を咲かせてくれます。
塊根は本来は地面に埋まっているため土に完全に埋めて育てた方が生育がよいのですが、、、一般的にはに塊根を露出させて栽培されています。
非常に成長は遅いので、早く大きくしたい場合や、調子よく育てたい場合は涙をのんで塊根部分は埋めて育てましょう。
ユーフォルビア・プリムリフォリアは基本的に白花ですが、赤花でやや小型の変種、'Euphorbia primulifolia var. begardii'(ユーフォルビア・ベガルディ)という種もいます。
【科・属】
Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属
【原産地】
マダガスカル - イサロ地方
【置き場所】
年間を通して明るく、風通しの良い場所で管理します。
日光が不足すると株が衰弱し、根腐れや塊根の腐りを誘発します。
また風通しの悪い場所で管理すると、葉の付け根にカイガラムシなどの害虫が発生しやすくなります。
ただし本種の塊根は自生地では地中に埋まっています。
塊根を長時間直射日光に当てると調子を崩す場合があるため、日差しの強い夏や西日などに当てる場合は適度に遮光してください。
小さな株や活着前の株は塊根を地中に深めに植えた方が調子良く育てることができます。
【水やり】
芽吹きが始まり成長が続く春から晩夏にかけては、用土が完全に乾燥しきる前に水やりします。
ただし成長期でも過湿な状態になると根腐れや、塊根が腐りやすいため多雨・多湿の梅雨などは用土の乾燥具合を見ながら適度に水やりしてください。
葉が落ち始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
塊根系のユーフォルビアは葉が枯れたあとも水を与え続けると、塊根が腐りやすいため注意しましょう。
実生してある程度の大きさに育った株や、輸入後数年経過し充分に活着している株は休眠期の長期間に渡る断水にも耐えることができます。
ただし小さな株や輸入後間もない株は根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると細根が枯れこみ、翌春以降の立ち上がりが遅れたり、最悪の場合枯死する場合があります。
その場合は休眠期でも月に1-2回、用土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防することも有効です。
その際は好天の続く気温の高い日の午前中に行い、夜までにはある程度は乾いている程度にしましょう。
休眠期、および低温期の水やりは塊根が腐りやすいため、くれぐれも注意して行ってください。
加温され、高温が保たれている温室などでは冬になっても休眠に入らない場合もありますので、その際は適度に水やりを続けます。
【肥料】
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、緩効性の化成肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ユーフォルビア・プリムリフォリアは寒さに弱いので冬は暖かい屋内で管理します。
可能であれば夜間の最低気温は15度以上、少なくとも10度以上は確保するようにしてください。
休眠中も適度に日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。