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Euphorbia nesemannii

蕃奇塔

Euphorbia nesemannii 蕃奇塔

三本の柱を立たせた蕃奇塔

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ニア好みの珍品ユーフォ、“ユーフォルビア・ネセマンニー”です。


南アフリカ - 西ケープ州南部のウースター(Worcester)から、ロバートソン(Robertson)にかけてが原産で、カルー灌木地帯の砂利混じりの斜面などに自生しています。

種小名の 'nesemannii' は、この植物を発見した20世紀前半の多肉植物コレクター、A. Nesemann氏の名をとって命名されました。
和名には“蕃奇塔”(ばんきとう)という、なかなか言い得て妙な名前が与えられています。(未開の奇怪な塔...的な意味?)

多肉質の太い茎を直立させる柱状種で、成熟した株になると高さ30cmほどの大きさに成長します。

地中にはガッシリした塊根を形成し、その塊根から茎を伸ばします。
茎は深い緑色をしており、表皮はごくわずかに粉をまとったような質感をしています。

小さく地味な花を咲かせますが、花が枯れた後の花柄は細いトゲとなって残る場合があります。

見た目がよく似た近似種として、小型の 'Euphorbia tubiglans'(ユーフォルビア・ツビグランス)や、ほっそりした茎をもった 'Euphorbia jansenvillensis'(ユーフォルビア・ヤンセンビレンシス) がいますが、ユーフォルビア・ネセマンニーは前述の2種よりもトゲが残りやすい傾向があるようです。
また、この3種の中ではもっとも大きく育つ点でなんとか見分けられるかもしれません。


【科・属】

Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属

【原産地】

南アフリカ - 西ケープ州ウースター(Worcester)、ロバートソン(Robertson)

【置き場所】

一年を通して明るく風通しの良い場所で管理します。
日光が強い場所では茎が焼けてしまう場合もあるので、その際は若干遮光します。その場合でも風通しは確保しましょう。

ユーフォルビア・ネセマンニーは日光が不足した場合、頭頂部から徒長してしまい、形が崩れてしまうことがあるため注意が必要です。
日当たりや通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると徒長はある程度防ぐことができます。

【水やり】

成長期は土がよく乾いてから水やりをします。
水切れよりも与えすぎに注意しましょう。

また、枝数の多い古株ほど水やりの間隔はあけるようにしましょう。小さな株よりも大きな株の方が突然腐ってしまうことがあります。

気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。

休眠期の冬でも月に1-2回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
加温している温室では冬になっても休眠に入らない場合もありますので、その際は適度に水やりします。

【肥料】

ユーフォルビア・ネセマンニーは肥料をたくさん与えると大きくなりやすいのですが、細長い形に育ちやすくなるため、肥料は控えめに与えます。
なるべく時間をかけて育てたほうが締まった良い株になるので、肥料は控えめにしましょう。
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

ユーフォルビア・ネセマンニーはユーフォルビアの中では比較的寒さには強いほうですが、冬は暖かいところで管理した方が安全です。
休眠中も適度に日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。