Euphorbia neohumbertii
噴炎竜
この跡がかっこいい
マダガスカル北部 - アンツィラナナ州のアンカラナ特別保護区や、ディエゴ スアレス湾の奥にあるモンターニュ・デス・フランシス（Montagne des Français：フランス山）が原産。
石灰岩で形成された岩場や、痩せた土壌に自生しています。
種小名の 'neohumbertii' は、“新しいフンベルティー”という意味があります。
そもそもの 'humbertii' は、フランスの植物学者、ヘンリ・ハンバート博士（Dr. Henri Humbert）の名をとって命名されましたが、'neo-'（新しい）の意味については不明です。
日本では“噴炎竜”という駄洒落っぽくもありながら、特徴をよく捉えた和名が与えられています。
高さ60cmほどの大きさにまで成長する柱状のユーフォルビアで、その面白い見た目から人気があります。
角柱のような細長い四角い幹を伸ばしながら成長し、幹のフチにはタワシのような剛毛が生えています。
成長期になると幹の頂点から、株の大きさに比べて非常に大きな緑色の葉を展開します。
休眠に入ると葉は脱落しますが、葉の落ちた跡が幹に独特の模様となって残り、ユーフォルビア・ネオフンベルティーのユニークな特徴となります。
休眠から目覚め、葉を展開し始める前には幹の頂点から真っ赤な花を咲かせます。
竜のような模様の幹と、その頂点から炎のように咲く花の様子はまさに“噴炎竜”といったところです。
なお現地マダガスカルでは環境破壊が著しく、ユーフォルビア・ネオフンベルティー自生地も壊滅的な被害にあっているようです。
4つほどの個体群が狭い地域に点在するように確認されているようですが、地域によって若干の個体差があり、幹がねじれるように成長するタイプや、葉がブルーになるタイプなどがあるようです。
幸いにも実生で増やされた株がたまに出回りますので、入手された方はこの格好良い植物を大事に育ててあげてください。
【科・属】
Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属
【原産地】
マダガスカル北部 - アンツィラナナ州
【置き場所】
一年を通して日光のよくあたる、風通しの良い場所で管理します。
ユーフォルビア・ネオフンベルティーは日光が不足すると葉がだらしなく大きくなり、垂れ気味になります。
また幹も徒長しやすくなってしまうため注意が必要です。
日当たりや通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると徒長はある程度防ぐことができます。
【水やり】
成長期は土が完全に乾ききる前に水やりをします。
水はやや控えめの方が徒長しにくくなりに締まった良い株になります。
水切れよりも与えすぎに注意しましょう。
気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。
休眠期の冬でも月に2-3回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。
その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
加温している温室では冬になっても休眠に入らない場合もありますので、その際は適度に水やりします。
【肥料】
肥料が多いと間延びしやすくなるため、控えめに与えます。
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ユーフォルビア・ネオフンベルティーは寒さに弱いので冬は暖かい屋内で管理します。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。
