Euphorbia hypogaea
螺髪竜
超珍種ユーフォ、ユーフォルビア・ヒポガエア
南アフリカ - 北ケープ州フレーサールスバーグ(Fraserburg)からビクトリア・ウェスト(Victoria West)にかけてが原産です。
標高1,500-17,00mの高原地帯に広がる乾燥性の平原が原産です。
種小名の 'hypogaea' は、ラテン語で“地下の、地中の”という意味があります。
非常に珍しい種なのですが、日本では“螺髪竜”(らはつりゅう)という和名が与えられていたこともあるようです。
ちなみに“螺髪”とは仏様のクルクルと丸まった髪の毛のことを指しています。
非常に小型の柱状のユーフォルビアで、成熟した株でも高さ10cmほどにしか成長しません。
円柱状の枝を地面からにょっきりと出し、その頂点からやや波打った細長い葉を上に向かって伸ばします。
最大の特徴は枝の表面を覆う、細い棒状の突起です。
隙間なくびっしりと表面を覆う突起は工業製品のような、ゴム細工のような不思議な印象を持っています。
和名の“螺髪”もこのびっしりと突起に覆われた様子から名づけられたのではないでしょうか?
枝は基本的に一本のみですが、まれに途中から仔吹き、分岐することもあります。
地中には紡錘状の塊根を形成します。
塊根は枝と同程度の長さがあるため、この特徴から“地下の、地中の”という種小名が命名されたようです。
花は未見ですが、頭頂部から緑色がかったクリーム色の小さな花を咲かせるようです。
成長はとても緩慢でなかなか大きくなりませんが、元々が超小型種なのでゆっくり成長を見守りましょう。
【科・属】
Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属
【原産地】
南アフリカ - 北ケープ州フレーサールスバーグ(Fraserburg)からビクトリア・ウェスト(Victoria West)にかけて
【置き場所】
一年を通して日光のよくあたる、風通しの良い場所で管理します。
あまりに日光が強い場所では枝が焼けてしまう場合もあるので、その際は若干遮光します。その場合でも風通しは確保しましょう。
日光が不足した場合や、風通しが悪い場合に枝が細長く徒長してしまうため注意が必要です。
また、根腐れや枯死しやすい軟弱な株になってしまうため、適度な日照と通風はなるべく確保しましょう。
日当たりや通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると徒長はある程度防ぐことができます。
【水やり】
春から秋の日中の気温がある程度高く、夜間は涼しい季節によく成長します。
成長期は用土が完全に乾ききる前に水やりをします。
ユーフォルビア・ヒポガエアは地中に塊根を形成するうえ、あまり旺盛に根を張る種ではないため、水やりはやや控えめにしたほうが安全です。
水切れよりも与えすぎに注意しましょう。
気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。
休眠期の冬でも月に2-3回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
加温している温室では冬になっても休眠に入らない場合もありますので、その際は適度に水やりします。
【肥料】
肥料をたくさん与えると枝が間延びしやすくなるため、控えめに与えます。
成長はゆっくりになりますが、なるべく時間をかけて持ち込んだほうが締まった良い株になるので、肥料は控えめにしましょう。
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ユーフォルビア・ヒポガエアは標高の高い地域に自生しているため、断水に近い状態では氷点下近い気温まで耐えることができます。
ただし、小さな株や活着前の株は冬は暖かいところで管理した方が安全です。
休眠中も適度に日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。