Euphorbia horwoodii
ユーフォルビア・ホルウーディ
挿し木自根株のユーフォルビア・ホルウーディです
ソマリア北東部 - バリ州の、通称“アフリカの角”と呼ばれる極度の乾燥地帯が原産です。
標高500-600mほどの石灰岩の土壌の荒れ地や、灌木の陰などに自生していたそうです。
種小名の 'horwoodii' はイギリス人のプランツコレクター、フランク・ホーウッド氏(Frank Horwood)にちなんで命名されました。
肉厚のヒトデのような球体からトゲの生えた枝を伸ばす小型種で、成熟すると30センチほどの株に成長します。
株が若い内はほとんど枝を伸ばさず、つぶれた饅頭のような形をしていますが、成長するに従い少しづつ枝を伸ばし始めます。
そのため枝の部分から挿し木で増やされた株と、実生の若い株とではまるで別の植物のようにも見えます。
枝が伸び始める前の球体の部分は、粉吹いたようなくすんだ表皮をしていますが、枝の部分には独特のパターンの鮮やかな模様が入ります。
鋭いトゲが生えた枝は、分岐しながら緩やかにねじれるように成長していきます。
個人的には希少性を抜きにしても、素晴らしく格好の良いユーフォルビアだと思っています。
極地に自生するためか栽培は難しく、接ぎ木で育てられていることが多いようです。
また成長は極めて遅く、自根で育てた場合は一年で1cmも成長しません。
ユニークな特徴が魅力的なユーフォルビア・ホルウッディーですが、自生地の個体数が元々少なかったうえに、環境破壊や干ばつによって野生下では絶滅したと考えられています。
とても残念な話ですが、栽培家によって挿し木や実生で増やされた株がごくまれに出回ることもあります。
手に入れた方は大事に育ててあげてください。
【科・属】
Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属
【原産地】
ソマリア - バリ州
【置き場所】
一年を通して日光のよくあたる、風通しの良い場所で管理します。
小さな株や西日がキツい場所では日焼けすることもありますので、その場合は適度に遮光します。
日光が不足したり風通しが悪い場合、根腐れしたり、徒長しやすくなってしまうため注意が必要です。
ユーフォルビア・ホルウーディはソマリアの極度の乾燥地帯に自生する植物のため、多湿に弱く、湿度を嫌います。
湿気には特に注意し、風通しの良い場所で管理します。
【水やり】
成長期は土が完全に乾いてから水やりをします。
水切れよりも与えすぎに注意しましょう。
特にソマリア原産の難物ユーフォルビアは水の与えすぎに注意します。
気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。
休眠期の冬でも月に2-3回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
【肥料】
肥料が多いと間延びしやすくなるため、控えめに与えます。
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
年間を通して気温の高い地域に自生するユーフォルビア・ホルウッディーは寒さにとても弱いので冬は暖かい屋内で管理します。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。