Euphorbia globulicaulis
ユーフォルビア・グロブリカウリス
超小型の希少種、ユーフォルビア・グロブリカウリス
ソマリア - ヌガール州のガローウェ(Garowe)から南に50kmほどのごく一部の地域が原産です。
標高800m前後の石灰岩で形成された乾燥した丘陵にのみ自生しており、スロープの小石の間や背の低いアカシアの低木林に点在しています。
種小名の 'globulicaulis' は、ラテン語で“球状の茎を持った”という意味があり、'globe'(球状)+ 'caule'(茎、幹)の合成語です。
1990年に記載された新種のユーフォルビアで、数多くの希少種を発見・発表している多肉植物研究家ジョン・ラブラノス氏(John Lavranos)と、イギリスのキュー王立植物園の植物学者スーザン・カーター氏(Susan Carter)が発見しました。
種小名どおり、コロコロとした球状の茎を持った超小型種で、茎の直径は2-3cmほどの大きさにしか成長しません。
茎の表面は灰色がかった黄緑色をしており、硬くしっかりとした表皮を持っています。
どことなく、カブやサトイモのような根菜的な印象も受けますね。
茎の頂点付近からは細い枝を伸ばし、そこからフチが緩やかにウェーブした小さな葉を伸ばします。
枝の途中からとても細い花柄を伸ばし、直径1.5mmほどの非常に小さい花(杯状花序)を咲かせます。
小型種だけあって、花も肉眼で見るのもやっとの超小型の花です。
成長するに従って、茎の表面から新しい茎を生やします。
球体を重ねるように育った姿はとても愛嬌があります。
残念なことに、ソマリア原産の希少種に共通した特徴どおり成長は極めて遅く、目に見えるような成長はなかなかしてくれません。
ゆっくり気長に育てることをお勧めします。
【科・属】
Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属
【原産地】
ソマリア - ヌガール州ガローウェ(Garowe)
【置き場所】
ユーフォルビア・グロブリカウリスは適度に遮光した明るい場所で管理します。
日光が強すぎると茎の表面が焼けてしまいますので注意しましょう。
遮光を強くするときれいな緑色になりますが、あまり暗い環境だと株が弱くなるような印象があります。
また、ユーフォルビア・グロブリカウリスは極度の乾燥地帯に自生しているため、蒸し暑い場所や風通しの悪い場所は気をつけましょう。
風通しが確保できない場合は扇風機などで風を送ると効果的です。
【水やり】
土が完全に乾いてから水やりをします。
ユーフォルビア・グロブリカウリスの自生するガローウェは年間降雨量が100mm未満の非常に乾燥した地域です。
水切れよりも与えすぎに注意しましょう。
【肥料】
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ユーフォルビア・グロブリカウリスの自生地はアラビア湾から温かい湿った空気が流れてくるため、年間を通して非常に気温が高く、最低気温が20度を下回ることがありません。
また、雨季・乾季という区分けがないほど雨が少ない地域なので、他の地域に自生しているのユーフォルビアとは異なり、休眠という概念がないようです。
温度については年間を通して20度を下回らないようにするのがユーフォルビア・グロブリカウリスの栽培のコツのように感じました。
涼しくなってきたころから加温した環境で育てるようにすると良いようです。
isla del pescadoではユーフォルビア・グロブリカウリスを含め、冬季は低温に弱い種を集めて爬虫類用のパネルヒーターなどで加温して越冬しています。
※ユーフォルビア・グロブリカウリスのような難物と呼ばれる植物は栽培者それぞれの育て方があると思いますので、こちらの育て方はあくまで参考程度にお考えください。