造形美に溢れる究極の珍奇種、“ユーフォルビア・フィリフローラ”です。

南アフリカ - リトル・ナマクアランド西部の一部の限られた地域が原産。
標高900-1,500mの高原地帯の、ほとんど岩と石しかないような荒れ地に自生しています。

種小名の 'filiflora' は、ラテン語で“糸のような花”という意味があり、ユーフォルビア・フィリフローラの細長い花軸から命名されたようです。
和名には“魔女の簪（かんざし）”という絶妙な名が与えられています。

高さ20-30cmほどの大きさに成長する小型のユーフォルビア。

数あるユーフォルビアの中でも、最も自然の造形美を感じる素晴らしい株姿が特徴です。

太い主幹からゴツゴツした枝を何本も伸ばし、その枝から細く繊細な葉っぱを生やしながら成長します。
枝は年月がたつと木質化していき、その先端から鮮やかな緑色の新しい枝が伸びてきます。

そしてなんといっても枝の先端から無数に伸びた細い花硬の跡が大きな特徴です。
和名の“魔女の簪（かんざし）”も、花が咲いた後の花柄が残った様子をカンザシに見立て名づけられたのでしょうか、、、？
枯れた細い花柄が無数に立っている姿には、年月を経てきた哀愁を感じます。

どっしりとした主幹や、たくさんの枝、細く繊細な葉、そして枯れ果てた花柄をじっくり見ていると、箱庭的な世界観を感じてしまいます。

和名がついているので昔は日本に入ってきたこともあるのでしょうが、現在は南アフリカのレッドリストに登録された為か国内にはほとんど出回っていないのが残念なところです。

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【科・属】

Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属

【原産地】

南アフリカ - 小ナマクアランド西部

【置き場所】

年間を通して日光のよくあたる、風通しの良い場所で管理します。
日光が不足した場合や風通しが悪い場合は、枝が徒長したり、簡単に枯死してしまうことがあります。
調子良く育てるためにも日当たりと通風はなるべく確保しましょう。

ユーフォルビア・フィリフローラは涼しい季節に成長するため、蒸し暑さに弱いところがあります。
休眠期である夏は風通しのよい涼しい棚上などで管理しましょう。

【水やり】

ユーフォルビア・フィリフローラの自生している場所は、冬季にごく少量の雨が降る地域です。
そのため、ユーフォルビア・フィリフローラも冬型種として育てたほうがうまくいくように思います。

成長期である春と秋は土が完全に乾いてから少量の水やりをします。
ユーフォルビア・フィリフローラのような極地に自生するユーフォルビアは、一般的な種よりも少なめに水やりしましょう。

水やりが多すぎると簡単に根腐れを起こします。
水切れよりも与えすぎに注意します。
また、古株ほど水やりの間隔はあけるようにしましょう。小さな株よりも大きな株の方が突然腐ってしまうことがあります。

気温が上がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、初夏から涼しくなるまでは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。
休眠期の夏も月に2-3回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。

気温の高い季節は、日中に水やりすると蒸れて調子を崩すことがあるため、涼しい日の夕方以降に軽く水やりする程度にとどめましょう。

【肥料】

成長の遅い、極地に自生するユーフォルビアは多くの肥料は必要ありません。
成長期の春から秋に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

ユーフォルビア・フィリフローラは涼しい気候を好みます。
ある程度の寒さに耐えることができますが、厳冬期は暖かい場所で管理した方が安全です。
寒さよりも夏の蒸し暑さに弱いため、気温の高い季節は涼しく過ごさせましょう。

    

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