太い塊根が特徴のタコモノ、“ユーフォルビア・コリクリナ”です。

南アフリカ - オウツフールン(Oudtshoorn) の近郊が原産で、草もまばらな荒れた丘陵に自生しています。

種小名の 'colliculina' はラテン語の 'colliculus'(丘、丘陵) という意味からきており、自生している環境から命名されました。
ちなみに現地では、ユーフォルビア・コリクリナも含めタコモノユーフォルビアのことを 'Vingerpol'(メデューサのことらしい）と現地語で呼ばれているそうです。

ユーフォルビアのタコモノといえば横に広がる種が多いのですが、ユーフォルビア・コリクリナは塊根、枝ともに縦に直立するように伸びる姿が特徴です。

また、ユーフォルビア・コリクリナは理に塊根を地中から出して植えつけなくても、成長とともに地中からせりあがってくる場合が多いので、塊根タイプ、タコモノタイプ両方の特徴が楽しめます。

ただし、枝挿しで増やされた場合の株は塊根もあまり大きくならず、細かい根が絡み合うように根を展開する事が多いようです。柱のようなしっかりとした塊根も楽しみたい場合は実生株を選ぶようにしましょう。

塊根の先についた球体からは枝を旺盛に伸ばし、塊根も含めたその姿はまるで宇宙人のようにも見えます。

そんな魅力的なユーフォルビア・コリクリナですが、自生地であるオウツフールンはダチョウ飼育が盛んな地域のため、開発によってどんどんと生息域が破壊されているようです。

今では少数の個体群が自生しているだけのようで、野生下では絶滅の危機に瀕しています。
ですが栽培下でも花をよく咲かせるので、種をとっての繁殖はそれほど難しくなさそうなのが幸いです。

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【科・属】

Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属

【原産地】

南アフリカ - Oudtshoorn（オウツフールン）近郊

【置き場所】

一年を通して日光のよくあたる、風通しの良い場所で管理します。
あまりに日光が強い場所では球状の本体や枝が焼けてしまう場合もあるので、その際は若干遮光します。その場合でも風通しは確保しましょう。
‘タコモノ'と呼ばれるタイプのユーフォルビアは、日光が不足した場合や、風通しが悪い場合に枝が細長く徒長してしまうため注意が必要です。
締まった良い株に育てるためにも日当たりと通風はなるべく確保しましょう。
日当たりや通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると徒長はある程度防ぐことができます。

【水やり】

成長期は土が完全に乾いてから軽く水やりをします。
ユーフォルビア・コリクリナのような球形のタコモノ系ユーフォルビアは、体内に水をたくさん貯めることができる為、水やりは一般的なタコモノユーフォルビアよりも少なめにしましょう。
水やりが多すぎると球状の本体から伸びる枝も長く伸びてしまいます。水切れよりも与えすぎに注意します。
また、球が大きい古株ほど水やりの間隔はあけるようにしましょう。小さな株よりも大きな株の方が突然腐ってしまうことがあります。

気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい、細根の再生に時間がかかるようです。
休眠期の冬でも月に2-3回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
加温している温室では冬になっても休眠に入らない場合もありますので、その際は適度に水やりします。

【肥料】

‘タコモノ'と呼ばれるタイプのユーフォルビアは肥料を与えると枝が間延びしやすくなるため、控えめに与えます。
成長はゆっくりになりますが、なるべく時間をかけて育てた方が締まった良い株になるので、肥料は控えめにしましょう。

成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

ユーフォルビア・コリクリナはユーフォルビアの中では比較的寒さには強いほうですが、冬は暖かいところで管理した方が安全です。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。

    

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