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Euphorbia abdelkuri

ユーフォルビア・アブデルクリ

Euphorbia abdelkuri ユーフォルビア・アブデルクリ

まさに奇怪な植物といえるユーフォルビア・アブデルクリ

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怪な見た目が特徴の珍奇種、“ユーフォルビア・アブデルクリ”です。


独自に進化した植物群で有名なインド洋の秘島、ソコトラ島のさらに隣に浮かぶ“アブドゥルクーリー島”(Abd al-Kuri)にのみ自生する固有種。
アブドゥルクーリー島は岩だらけの非常に小さな島で、背の低い小さな植物しか生えていない半砂漠のようなところです。
島の一部の地域の海岸に面した丘陵の斜面に自生しています。

種小名の 'abdelkuri'(アブデルクリ) もその名のとおり、自生地であるアブドゥルクーリー島に由来しています。

多種多様の種を擁する全ユーフォルビアの中でも1、2を争う珍奇種です。
角ばった幹を伸ばす柱状種で、成熟した株は1mほどの高さにまで成長します。

ただし成長はとても遅く栽培も難しい難物として知られているので、栽培下ではそこまでの大きさなることはまずないのではないでしょうか?
株が成熟してくると株元から子株が生え、群生しているかのような見た目になります。

特徴はその溶けたワックスでコーティングされたかのような肌と、のっぺりとした柱のような形状です。
青みがかったホワイトグレーの肌はとても植物のものとは思えません。まるで蝋燭のような肌質です。

このなんとも不思議な見た目はガガイモ科の珍種、'Whitesloanea crassa'(ホワイトスロアネア・クラサ)にどことなく似ています。
他のユーフォルビア属の植物同様に幹を傷つけるとネバネバした毒性のある乳液状の樹液(ラテックス)を出すのですが、ユーフォルビア・アブデルクリの樹液はやや黄色がかっており、毒性も他のユーフォルビアよりも強いらしいので取り扱いには注意して下さい。

ソコトラ島原産の植物同様に、特異な風土で育つユーフォルビア・アブデルクリは栽培が難しいことでも知られ、一般的には接ぎ木で育てられることが多くあります。
この株は貴重な自根株で今のところ順調に育っています。
とはいっても目で見えるような成長はあまりないのですが。。。

ちなみに、ユーフォルビア・アブデルクリの斑入り種で
'DAMASK'
(ダマスク) と呼ばれる、さらに変わった見た目の品種もいます。


【科・属】

Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属

【原産地】

イエメン - アブドゥルクーリー島(Abd al-Kuri)

【置き場所】

自根、接木株いずれの場合も年間をとおして日光のよく当たる明るい場所で管理します。
ユーフォルビア・アブデルクリは、堅牢な表皮で守られているため真夏の直射日光下でも焼けることはありません。
日光が不足すると株が弱り、腐りやすくなります。

また風通しが悪いと蒸れやすくなりカイガラムシ等も発生しやすくなりますので、風通しの良い場所で管理するようにしましょう。

【水やり】

成長期の夏は土が完全に乾いてから水やりをします。

接ぎ木で育てられている場合は、通常のユーフォルビアと同様に成長期は長時間水を切らさないように水やりします。
自根株の場合はあまり水をやりすぎると腐りやすくなりますので、水やりは辛めに行なうようにします。
特に梅雨時など空中湿度の高い時期は水やりは気をつけましょう。

涼しくなってきたころから徐々に水やりの量と回数を減らし、本格的な寒さがきたころから暖かくなる春までは断水気味に管理します。
ただ、ユーフォルビアは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると根の細根が枯れてしまい根の再生に時間がかかるようです。

休眠期の冬でも月に一度ぐらい土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防しましょう。
その際は天気の良い午前中に行い、夜までにはほぼ乾いているぐらいが良いでしょう。

【肥料】

成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

ユーフォルビア・アブデルクリは寒さに非常に弱いので冬は暖かいところで管理します。
最低気温はなるべく10度を切らないようにしましょう。
休眠中の冬はなるべく長時間、植物と鉢を直射日光に当ててあげると耐寒性も良くなるようです。