Uncarina roeoesliana
ウンカリーナ・ルーズリアナ
花が咲きました
マダガスカル - トゥリアラ州南部のトラニャロ(Tolanaro)近郊が原産です。
標高100-470mの範囲の石灰岩土壌の岩場や、乾性林に自生しています。
種小名の 'roeoesliana' は、この植物を発見したスイス人探検家、ウォールター・レーズリ氏(Walter Röösli)の名をとって命名されました。
学名を正しく読むと、“ウンカリーナ・ロエオエスリアナ”となるのですが、一般的には“ルーズリアナ”と呼ばれることが多いようです。
1996年に新種として記載された比較的新しい種のゴマ科塊根植物です。
成熟した株でも高さ1.2-1.5mほどの大きさにしかならない小型種で、14種知られているウンカリーナ属の中の最小種でもあります。
大きな球状の塊茎が特徴ですが、自生地ではほぼ地中に埋まっているようです。
塊茎の頂点付近から細い枝を上に向かって伸ばします
細くカクカクとした形状に伸びる枝はあまり分岐しませんが、ある程度の長さになると分岐します。
枝の先端付近からは、3裂から5裂のごく浅い切れ込みの入った心臓形の葉を展開します。
明るい緑色をした葉の表面は柔らかいビロード状の毛で覆われています。
成長期になると、葉が展開している枝から明るいレモンイエローのラッパ状の花を次々と咲かせます。
ウンカリーナ・ルーズリアナはコーデックスプランツでは珍しく、小さな株のうちからよく開花してくれます。
結実すると、直径2-4cmほどの果実をつけます。
果実は細長いウニのようなトゲトゲした突起に覆われていますが、先端が鉤状になっています。
そのため、服や皮膚にささると抜け辛く厄介なので注意しましょう。
なお、ウンカリーナ・ルーズリアナは基本的に自家不和合性ですが、まれに一株でも結実することがあります。
ただしその場合、種はシイナ(胚がなく、発芽能力のない種)である場合がほとんどです。
自生地のマダガスカルでは、ウンカリーナ属の葉を水に浸すと分泌される粘液をシャンプーや整髪剤として利用されています。
そのため、日本では“シャンプーの木”という名称でまれに出回ることもあります。
コーデックスプランツとしての成長は比較的早く、小さな株のうちから開花してくれる万人におススメの優良種です。
【科・属】
Pedaliaceae Uncarina
ゴマ科ウンカリーナ属
【原産地】
マダガスカル - トゥリアラ州トラニャロ(Tolanaro)
【置き場所】
年間を通して日光のよく当たる明るい場所で管理します。
ウンカリーナ・ルーズリアナは真夏の直射日光もモノともしないほど日光を好みます。
日光が不足すると、枝や幹が細長く徒長したり、株が軟弱となり、根腐れしやすくなります。
また、通風を好み空気の停滞する締め切った温室等を嫌います。
通風の悪い場所で管理すると害虫もつきやすくなるため、なるべく風通しの良い場所で管理しましょう。
【水やり】
ウンカリーナ・ルーズリアナは成長期は比較的水を好みます。
葉の展開が始まり、成長している時期は用土が完全に乾燥する前にたっぷりと水やりします。
水が不足すると葉が萎びるてくることもあるため、それを目安にしても良いかもしれません。
ウンカリーナ・ルーズリアナは成長期に多肥・多水栽培すると、他の塊根植物に比べて比較的早く成長します。
ただしあまり肥培すると幹や枝が細長くなりがちです。
幹を球状・紡錘状にしたい場合は、成長はとても遅くなりますが辛めの水やりを心がけましょう。
秋に入り、涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春まで断水気味に管理します。
休眠中も月に1-2回程度、ごく少量の水やりをすると細根の枯死を防ぎ、春の目覚めが良い場合があります。
休眠中に水やりする場合は好天の続く気温の高い日を選び、午前中に少量水やりし、気温の下がる夜間までには用土が適度に乾いている程度にしましょう。
春になり芽吹きだした際は、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
ただし肥料が多すぎると枝や幹が徒長しやすくなります。
【適温】
ウンカリーナ・ルーズリアナは、寒さにとても弱いので冬は暖かい場所で管理します。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。