Trochomeria polymorpha
トロコメリア・ポリモルファ
成長を物語るシワ
アフリカ南東部 - マラウィ、モザンビーク、ザンビア、ジンバブエが原産で、背の低い落葉樹の生えた砂質土壌のブッシュなどに自生しています。
属名の 'Trochomeria' は、ギリシャ語の 'trochos'(トロッコ:車輪)+ 'meris' (部分)の合成語で、“車輪の一部”のような意味があり、種小名の 'polymorpha' は、“様々な形の”という意味があります。
小さな塊根を持ったウリ科の植物で、成熟した株でも直径5cmほどにしか成長しない小型のコーデックス。
最大の特徴はなんといっても円錐状の、その小さな塊根に刻まれた細かい溝状のシワです。
属名どおり木の車輪を幾重にも重ねたようにも、または木彫りの工芸品のようにも見えるとても面白い形。
塊根の頂点からはウリ科の植物らしい細いツルを伸ばし、一般的には槍先状の形をした葉を生やします。
“一般的には”というのは、トロコメリア・ポリモルファの葉の形状は個体差が大きく、槍先状のものから、小さな掌状のものまで様々なバリエーションがあるからです。
元々、トロコメリアは様々の種として分類されていたようですが(Trochomeria brachypetala、Trochomeria bussei、、等)そのほとんどは同一の種と見なされ全てトロコメリア・ポリモルファのシノニムとして統合されたようです。
もしかしたら葉の形状によって、別種として扱われていたのかも知れないですね。
種小名の“様々な形の”というのも、塊根の形状を指しているのか、葉の形状を指しているのかは分らないのですが、その由来を考察するのも面白いですね。
【科・属】
Cucurbitaceae Trochomeria
ウリ科トロコメリア属
【原産地】
マラウィ、モザンビーク、ザンビア、ジンバブエ
【置き場所】
トロコメリア・ポリモルファは基本的に明るい場所を好みますが、明るい日陰でも栽培することは可能です。
休眠から目覚め葉を展開し始める春は、日光のよく当たる場所で栽培し成長を促進させます。
真夏の直射日光下では葉や茎が焼けてしまう場合があります。適度に遮光した環境で栽培しましょう。
日差しが弱くなる秋から春にかけてはよく太陽にあてると耐寒性も増します。
【水やり】
成長期の夏は土が乾いたらたっぷりと水やりします。
トロコメリア・ポリモルファ成長している時期は、毎日水を与えても問題ありません。成長期間中は長期間断水しないように注意しましょう。
秋に入り、涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春まで完全に断水します。
春に芽吹き出した際は、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
トロコメリア・ポリモルファは寒さに弱いため、冬は暖かいところで管理します。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。