Pelargonium caroli-henrici
ペラルゴニウム・カロリ・ヘンリキ
とても珍しいペラルゴニウム・カロリ・ヘンリキの大株
南アフリカ - 西ケープ州のバンラインスドルプ(Vanrhynsdorp)が原産です。
この地域の狭い範囲にのみ自生が確認されている希少種で、海抜の低い珪岩質土壌の平原に自生しています。
種小名の 'caroli-henrici' は、20世紀初頭から長きに渡って活躍したウィーンの植物学者、カール・ハインツ・レチンガー氏(Karl Heinz Rechinger)の名をとって命名されました。
1987年と比較的近年になってから新種として記載された小型のペラルゴニウムです。
ある程度まとまった個体群は3箇所ほどしか存在せず、そのため近年まで発見されなかったようです。
暗褐色の厚い表皮につつまれた球根のような塊根から放射状に葉を広げるコンパクトな株姿をしています。
小型種なので葉を広げてもせいぜい20cmほどの大きさにしかなりません。
カロリ・ヘンリキの特徴は、なんといってもその美しい羽状複葉にあります。
ぺラルゴニウムの仲間は葉に微毛が生えた種が多いのですが、カロリ・ヘンリキもその他に種に負けず劣らず緻密な微毛を葉全体にまとっています。
淡いグリーンの葉からびっしりと微毛が生えた様子は神秘的な美しさがあります。
また、日光にあたると葉がうっすらと発光しているようにも見えます。
休眠に入り葉が枯れると自然と脱落しますが、葉の軸部分は残り続けます。
古株になればなるほど、その積み重なった葉の痕跡が長い年月を物語ります。
葉が脱落し始めると、葉の中心部から長い花茎を伸ばし、黄緑色の花を咲かせます。
極地に自生するその他のペラルゴニウム同様、成長は非常に遅く、ある程度の大きさになるには長い年月が必要です。
あまり流通しない希少種ですが、手に入れた方は長い目でじっくりと育ててあげてください。
【科・属】
Geranisese Pelargonium
フクロソウ科テンジクアオイ属
【原産地】
南アフリカ - 西ケープ州 バンラインスドルプ(Vanrhynsdorp)
【置き場所】
成長期である秋から春にかけては、日光のよくあたる場所で管理します。
日光が不足すると葉が徒長し、だらしない姿となってしまいます。
寒い季節は雪が常に降り積もっているような厳冬地を除いて、屋外でも管理可能ですが、その際は雨や雪が直接当たらない場所で管理します。
また冷たい風が常に当たる場所だと、いくら冬型とはいえ葉が枯れ込んだり落ちてしまう場合がありますので注意しましょう。
気温が上がってくると葉を落として休眠に入ります。
極乾燥地帯に自生するぺラルゴニウム・カロリ・ヘンリキは、蒸れや多湿に弱いのでこの時期は特に風通しに気をつけましょう。
涼しくなる夏の終わりごろまでは少し遮光をして、風通しの良い涼しい場所で管理します。
【水やり】
成長期の春と秋は土が完全に乾いてから水やりします。その際は晴天が続く日を見計らって水やりするようにします。
ぺラルゴニウム・カロリ・ヘンリキは乾燥地帯に自生しています。根腐れや徒長させないように水やりは辛めにしましょう。
ただし、成長期にあまり水を控えすぎると花付きが悪くなるようです。
春から初夏にかけて葉が落ち始めたころから徐々に水を控え、夏は断水気味に管理します。
休眠中は完全に断水する、という栽培方法もあるようですが、isla del pescadoでは休眠に入っている夏の間も、月に1-2回ほどごく少量の水を与えて細根の枯死を予防するようにしています。
夏に水を与える場合は涼しい夕方以降にごく少量だけ水やりを与え、用土を軽く湿らす程度にしています。
ぺラルゴニウム・カロリ・ヘンリキは涼しくなってくると徐々に葉が芽吹きだしてきますので、その頃から少しづつ水やりを開始します。
その際もいきなりたくさん水をあげると腐りやすいので注意しましょう。
【肥料】
成長期の初秋や春に数度、微量元素が不足しない程度に薄めた液肥を与えます。
用土にマグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ぺラルゴニウム・カロリ・ヘンリキは涼しい季節に成長する植物のため、寒さには強いほうです。
夜間の最低気温が5度を切らないように管理すると安全に越冬できます。
夏の蒸し暑さに気をつけ、暑い季節は涼しい場所で管理しましょう。