Othonna euphorbioides
黒鬼城
和名の“黒鬼城”に劣らぬ、迫力ある姿をしたオトンナ・ユーフォルビオイデス
南アフリカ - 北ケープ州ステインコフ（Steinkopf）からカミエスベルグ（Kamiesberg）にかけてが原産です。
よく日光の当たる南に面した花崗岩の丘陵や低い峰などの岩盤や岩の割れ目、浅い砂の土壌などに自生しています。
種小名の 'euphorbioides' は、ラテン語で“ユーフォルビアに似た”というような意味があります。
なお、'-oides' には“xxに似た、xxのような”という意味があります。
日本では“黒鬼城”という、なんとも禍々しい和名が与えられています。
低木状に育つ中型のオトンナで、成熟した株でも30-40cmほどの高さにしかなりません。
オトンナ・ユーフォルビオイデスの特徴は、そのこんもりとした独特の株姿にあります。
主幹から複雑に枝を分岐させ、密に詰まったような樹形をしています。
小さな株のうちは、表皮が黄金色のワックス状の硬い表皮をしていて滑らかな質感をしています。
ですが株が成熟し古株になってくると、表皮がまるで焼け焦げたような色となり、ガサガサとざらついた質感となります。
太い枝の先端からは逆槍先状の小さな葉を対生に生やします。
葉は青白く、表皮の黒い色とのコントラストが見事です。
また、枝の先端付近にはトゲのような針のようなものがびっしりと生えています。
これは花柄が枯れ落ちた後に残ったもので、永続的に残り続けます。
このトゲもオトンナ・ユーフォルビオイデスを特徴つける大きな要素です。
おそらく種小名の“ユーフォルビオイデス”も、ユーフォルビア属で花硬がトゲのように残る種が多いことから命名されたのではないでしょうか？
花は小さな黄色い花を咲かせますが、極寒期を除く、年間を通して咲く傾向があります。
樹形、トゲ、表皮の色、、、和名の“黒鬼城”を彷彿させる黒味を帯びた迫力のある風体になっていきます。
古い花硬が残ったトゲトゲしいシルエット、風格のある黒い肌、“黒鬼城”とはうまい和名をつけたものですね。
しかし実際はこの和名はあまり使われず、種小名どおりに“ユーフォルビオイデス”と呼ばれることのほうが多いようです。
【科・属】
Compositae Othonna
キク科オトンナ属
【原産地】
ナミビア - カラス州 大ナマカランド（Great Namaqualand）
【置き場所】
成長期である秋から春にかけては、直射日光のあたる明るい場所で管理します。
日光が不足すると枝や葉が徒長しやすくなります。
とくにオトンナ・ユーフォルビオイデスは日光が不足すると根腐れを起こしたり、株が弱ります。
成長期は極力長時間、日光があたるようにしてください。
雪が常に降り積もっているような厳冬地を除いて屋外でも管理可能ですが、その際は雨や雪が直接かからない場所で管理しましょう。
また冷たい風が常に当たる場所だと、いくら冬型とはいえ葉が枯れ込んだり落ちる場合がありますので注意しましょう。
休眠期である夏は少し遮光をして、風通しの良い涼しい場所で管理します。
【水やり】
成長期の春と秋は土が完全に乾いてから水やりします。
その際は天気の良い日に水やりするようにしましょう。
オトンナ・ユーフォルビオイデスは極度の乾燥地帯に自生しています。
徒長させないように水やりはやや辛めにしましょう。
春から初夏にかけて葉が落ち始めたころから徐々に水を控え、夏は断水気味に管理します。
ただし休眠中も月に数回、霧吹きなどで株と用土と軽く湿らせると、細根の枯死が防げ、秋以降の立ち上がりが良くなる場合があります。
その場合は涼しい日の夜間にごく少量のみ水を与え、朝までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
オトンナ・ユーフォルビオイデスは涼しくなってくると徐々に葉が芽吹きだしてきますので、その頃から少しづつ水やりを開始します。
その際もいきなりたくさん水をあげると腐りやすいので、水やりは少しづつ開始します。
【肥料】
成長期の初秋や春に数度、微量元素が不足しない程度に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
オトンナ・ユーフォルビオイデスは涼しい季節に成長する植物のため、寒さには強いほうです。
夏の蒸し暑さに気をつけ、暑い季節は涼しい場所で管理しましょう。
