Kedrostis africana
ケドロスティス・アフリカーナ
塊根からツルを旺盛に伸ばします
南アフリカ共和国のほぼ全域が原産で、海岸線にほど近い低地から標高1,600mまでの広い範囲に分布しています。
主な自生地は短い草の生えた広い草原や、アカシア類のまばらに生える疎林の石や砂利の多い土壌に自生しています。
種小名の 'africana' は、読んで字のごとく、“アフリカの”という意味があります。
大きな塊根を形成する中型のコーデックスプランツで、塊根の直径は最大で50cmほどの大きさに成長します。
自生地では塊根は地中に完全に埋まっていますが、栽培環境下では露出させて栽培されます。
塊根の表面はボツボツとした突起を持った硬い表皮に覆われています。
また年月を経た塊根は表皮に幾重にもシワが入り、ますます力強い印象が出てきます。
気温があがると塊根の頂点付近から巻きヒゲを出しながら、どんどんとツルを伸ばします。
大株になるとツルの長さは5-6mほどの長さにまでなるとか。
ツルからは掌状に切れ込んだ鮮やかな緑色の葉を展開します。
葉はやや厚みがあり、出始めのころは輝くような色合いをしています。
十分に活着した大株になると、成長期の夏に開花することがあります。
ケドロスティス・アフリカーナは雌雄異株で、雄株・雌株ともには黄色味がかった緑色のからクリーム色の小さな花を咲かせます。
そして結実すると、直径10-15mmほどの丸いオレンジ色の小さな果実を結実させます。
自生地ではこの果実をバブーンが好んで食べるため、"Baboon's Cucumber"(ヒヒの瓜)とも呼ばれています。
【科・属】
Cucurbitaceae Kedrostis
ウリ科ケドロスティス属
【原産地】
南アフリカ共和国
【置き場所】
年間を通して明るい場所で管理します。
特にツルが伸び始めてからは日光がよく当たる場所で管理しましょう。
日光が不足すると、ツルや葉が弱々しい株になってしまいます。
ただし、ケドロスティス・アフリカーナの塊根は本来地中に埋まっているため、直射日光をあまり当てると株が弱ったり表皮が焼ける場合があります。
ツルを塊根に巻きつけたり、塊根は若干影になるような場所で管理し、日光に良く当てるのはあくまでツルと葉になるようにしてください。
なお遮光した環境や、紫外線をカットするガラス越しの環境では塊根は日光に当たっても問題ありません。
また、風通しの悪い場所や屋内で管理すると害虫が発生しやすくなります。
通風に気をつけて管理してください。
【水やり】
ツルが伸び始めてからは用土が乾燥してからたっぷりと水やりします。
ケドロスティス・アフリカーナは成長期は比較的水分を好みます。
成長期は用土が完全に乾燥しきる前に水やりしてください。
秋に入り、涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春までは断水気味に管理します。
ただしあまり乾燥させすぎるとダニや根ジラミが発生しやすくなります。
また乾燥させすぎると細根が枯死し、翌春以降の成長に支障が出たり、萎びて枯れる場合があります(特に体力のない小さい株は注意)。
そのため害虫防止や細根の枯死防止といった観点からも、休眠期も月に数回は天気の良い暖かい日に軽く土を湿らす程度に水やりすると、調子良く越冬できる場合があります。
ただし低温の日、悪天が続く日、休眠時の極端な気温変化がある場合に水やりすると、塊茎が腐敗しやすくなります。
休眠期に水やりする際は、温度・湿度・気温変化に最大限に気を使った上で行ってください。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ケドロスティス・アフリカーナは断水した状況では比較的寒さに耐えることができます。
ただし塊根を多く露出している場合や、活着前の株、小さな株は耐寒性が劣ります。
その場合はなるべく暖かい場所で管理した方が安全に越冬できます。
休眠中も塊根や鉢を適度に日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。