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Dorstenia gypsophila

ドルステニア・ギプソフィラ

Dorstenia gypsophila ドルステニア・ギプソフィラ

珍種ドルステニアの雄、ドルステニア・ギプソフィラ

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少なクワ科の難物塊根種、“ドルステニア・ギプソフィラ”です。


難物と珍種の宝庫、ソマリア - バリ州が原産です。
石膏岩で形成された小さな岩山や丘陵に自生しています。

種小名の 'gypsophila' は、ラテン語で“石膏を好む”という意味があり、'gypsos'(石膏)と 'philos'(好む、愛する)の合成語です。
この種小名は自生している環境に起因して命名されたようです。

極度の乾燥地帯に自生する大型のドルステニアの仲間で、長い年月を経た古木になると直径50cm、高さ2.5mまでの大きさに成長します。

株元はどっしりと太く、そこから上に向かっていくつかの細い枝を伸ばします。

塊根や幹の表皮は灰色がかった薄い緑色をしており、表面は不規則に隆起してボコボコとしています。
また細かい亀裂も入っていて、岩のような彫刻のような、味わい深い質感をしています。

枝は垂直方向に向かって伸び、そこからギザギザとした小さな葉を展開します。
うっすらとしたスモークグリーンの葉は控えめながら、なかなかの美しさです。
葉の寿命は短く、時間が経つと赤味を帯びて脱落していきます。
また、成長期でも短いライフサイクルで葉の展開・脱落を繰り返す習性があるようです。

調子良く育っているとドルステニア属特有の星のような、はたまた昆虫のクモのような不思議な形状の花を咲かせます。
ドルステニア属はほとんどの種が雌雄同株で自家受粉しますが、ドルステニア・ギプソフィラは株が未熟なうちは花は咲いても結実しないことが多いように感じます。

成長は極めて遅く、大きく育つまでにはとても長い年月が必要です。
種としての最大サイズである、直径50cmまでに育つには何十年、何百年という時間が必要ではないでしょうか、、、?

また繁殖は実生のみで、枝挿しなどでも増やすことができません。
ソマリアの極地出身ということもあり、栽培も気難しいところがあるためか、ほとんど出回ることのない希少種でもあります。

それをもっても余りある魅力的な種なので、興味のある方は栽培にチャレンジしてみてください。


【科・属】

Moraceae Dorstenia
クワ科ドルステニア属

【原産地】

ソマリア - バリ州

【置き場所】

一年を通して日光のよくあたる場所で管理します。
ドルステニア・ギプソフィラは他のドルステニア属に比べて日光を好みますので、日当たりは確保しましょう。

ただし、小さな株や根がよく周っていない株は長時間強い日光に当てると葉が焼けたり株が弱る場合があるため、株の状態をみつつ寒冷紗などで遮光して管理します。
また風通しの悪い場所で管理するとカイガラムシなどが発生する場合があるため、風通しにも注意しましょう。

【水やり】

成長期の夏は用土が完全に乾き切る前に水やりします。

ドルステニア・ギプソフィラの自生地は極度の乾燥地帯ですが、成長期は比較的水を好みます。
またドルステニア・ギプソフィラは個体差はありますが、成長期でも生理現象として葉の展開と落葉を繰り返すことがあります。
落葉した場合も、焦って沢山水やりすると根腐れを起こす場合があるため、株の状態を見つつ過度な水やりには気をつけましょう。

秋に入り、涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春まで断水気味に管理します。

ただし長期間に渡って完全に断水すると、根が枯死しそのまま枯れてしまうことがあります。
休眠中も月に数回、ごく少量の水やりをして細根の枯死を防ぐと春以降の立ち上がりもよくなります。
休眠中に水を与える場合は、天気の良い気温の高い好天が続く日を狙って暖かい午前中に水やりします。
与える量も気温の下がる夜間までには用土がほとんど乾く程度にします。

春になり芽吹きだした際は、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。

【肥料】

成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

ドルステニア・ギプソフィラは、寒さに非常に弱いので冬は暖かい場所で管理します。
休眠中も適度に日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。