Commiphora monstruosa
コンミフォラ・モンストルオサ
不気味な樹形が魅力の灌木植物、コンミフォラ・モンストルオーサ
マダガスカル - トゥリアラ州オニラヒ川河口のサン=トーギュスタン(Saint Augustin)から、南のリンタ川河口にかけての海岸線沿いが原産です。
標高の低い海岸近くに広がる石灰岩土壌の荒れ地や、ディディエレア属がまばらに繁る乾性林に自生しています。
種小名の 'monstruosa' は、ラテン語で“怪物のような”という意味があり、“モンスター”の語源である 'monstrous' に由来しています。
とても珍しい灌木状のカンラン科のコーデックスプランツです。
成熟した株になると高さ3-4m、幹の直径は30cmほどの太さにまで成長します。
ほっそりとした主幹を上に向かって真っすぐ伸ばし、ある程度の高さになると主幹の先端付近から横に向かって短い枝を伸ばします。
幹の表皮は灰褐色をしていますが成長に伴いやや赤みを帯びることが多く、ところどころにイボ状の突起が現れてきます。
細く柔軟性のある枝はジグザグに伸びる特徴があります。
また枝は伸びるにつれだらんと下垂し、幹の長さよりも長く伸びてまるでツル植物のように地面に垂れさがります。
コンミフォラ・モンストルオーサは幹と枝が織りなすこの面白い樹形が大きな特徴です。
見ようによってはおどろおどろしい不気味な印象があり、種小名の“怪物のような”という意味もこの奇妙な株姿から命名されたのではないでしょうか、、、?
枝のところどころから緑色をした羽状複葉の小さな葉を繁らせます。
かなりの年数を経ないと開花はしないようで、緑色がかったクリーム色の小さな花を咲かせます。
成長は非常に遅く、目立った成長はなかなかしてくれません。
本来は大きな植物ですが、その成長の遅さを逆手にとって栽培環境下では盆栽作りで栽培されています。
なお、本種は1944年にフランスの植物学者、ジョゼフ・マリー・ヘンリー・アルフレッド・ペリエ博士(Dr. Joseph Marie Henry Alfred Perrier)によって新種として記載された際、ウルシ科オペルクリカリア属とされていました(Operculicarya monstruosa:オペルクリカリア・モンストルオーサ)。
その後、1962年にレネ・ポール・レイモンド・カプロン博士(Dr. René Paul Raymond Capuron)によって、生殖構造の違いからカンラン科コンミフォラ属に再分類された経緯があります。
素人目に見ても、ジグザグした枝や小さな羽状の葉など、オペルクリカリア属と言われても納得の姿形ですね。
【科・属】
Burseraceae Commiphora
カンラン科ミルラノキ属
【原産地】
マダガスカル - トゥリアラ州オニラヒ川河口のサン=トーギュスタン(Saint Augustin)から、南のリンタ川河口にかけて
【置き場所】
年間を通して直射日光のよく当たるで管理します。
コンミフォラ・モンストルオサは日光を非常に好むため、栽培環境下でもっとも日当たりの良い場所で育てましょう。
日光が不足すると枝が徒長したり、病気や虫に弱い貧弱な株になってしまいます。
また風通しの悪い場所も嫌うため、通風にも注意しましょう。
成長期の春から秋にかけては屋外で雨ざらしにして育てると丈夫な株に育ちます。
【水やり】
成長期の夏は土が乾いたらたっぷりと水やりします。
株が小さいうちは体内に貯水できる水分が少ないため、比較的水を欲しがります。
あまり乾燥させすぎると、そのまま枯れてしまうため注意しましょう。
秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春までは断水気味に管理します。
休眠中も月に数回、軽く用土を湿らせると細かい根が完全に枯死することを防げる場合があります。
寒い時期に水やりする場合は好天の続く気温が高い日を狙って午前中にごく少量の水やりし、気温の下がる夜間までにはほぼ乾いている程度にします。
春になると葉が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
梅雨が明けるまでは、土が完全に乾いて数日おいてから天気の良い日に水やりするようにします。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
コンミフォラ・モンストルオサは寒さとても弱いため、冬は暖かい場所で管理します。
また、休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。