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Boswellia nana

ボスウェリア・ナナ

Boswellia nana ボスウェリア・ナナ

ソコトラ島の小型灌木コーデックス、ボスウェリア・ナナ

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コトラ島の小型灌木コーデックス、“ボスウェリア・ナナ”です。


アラビア半島の国 - イエメンが誇る神秘の島、ソコトラ島が原産。
島の北東部のハマデロ山(Hamaderoh)とマジハ(Majhah)の間の、半径20km未満の非常に狭い範囲にのみ自生が確認されています。
標高600mまでの石灰岩の丘陵の急斜面や、疎林地帯の岩場に自生しています。

種小名の 'nana' は、ラテン語で“小さな、小型の”という意味があり、'nanus'(小さい)に由来しています。

種小名どおり非常に小さなカンラン科の灌木状の植物で、自生地の大きな株でも高さ60-80cmほどにしか成長しません。

天然の盆栽ともいえるコンパクトな樹形が魅力で、主幹の途中から枝を伸ばしながら成長します。
自生地では断崖絶壁等に生えているため、横に広がるように水平に成長したり、下に垂れ下がりながら成長することもあります。
ですが栽培環境下ではあまり横には広がるようには成長せず、縦に成長する傾向があります。

株元に近い幹の軸部分は僅かに膨らみますが、これは貯水目的以外に岸壁の割れ目などに幹を押し込んで株本体を固定するためと考えられています。
幹や枝の表皮は白色から灰褐色をしており、ザラっとした質感をしています。

幹や細い枝からは光沢がある一対の羽状複葉を展開します。
葉はフチが縮れたように波打った美しい造形をしています。

なおボスウェリア・ナナの葉は展開し始めたころは濃いエンジ色からオレンジ色をしていますが、時間を経ると濃い緑色に変化するといったユニークな特徴があります。
鈍い光沢を放つ葉は触れると爽やかな芳香を放ち、小さくてもカンラン科の植物であることを実感します。

成熟した株にならないと開花はしませんが、ピンク色をした円錐花序の花を咲かせるようです。

厳しい環境に自生する小型種、およびカンラン科コーデックスに共通した特徴どおり、本種も成長は極めて遅く、側枝すらもなかなか出してくれません。

なおボスウェリア・ナナは独立した種ではなく、 'Boswellia socotrana'(ボスウェリア・ソコトラナ)とその他のボスウェリア(種は不明)の自然交雑種とも考えられています。
これはボスウェリア・ナナの葉が非常にシンプルな単葉なものであったり、羽状複葉と単葉の中間的な形状であったりと一貫性に欠けるうえ、生息域も非常に局所的である点からそのように考えられているようです。
また、'Boswellia popoviana'(ボスウェリア・ポポビアナ)の自然発生的な矮性種という説もあるようです。

植物学者の方たちのフィールドワークとDNA判定の結果を待ちたいところですが、イエメンの環境保護当局による極めて厳しい規制により現地調査もままならず、なかなか真相が分からないようです。


【科・属】

Burseraceae Boswellia
カンラン科ボスウェリア属

【原産地】

イエメン - ソコトラ島ハマデロ山(Hamaderoh)、マジハ(Majhah)

【置き場所】

一年を通して日光のあたる明るい場所で管理します。

ボスウェリア・ナナは日光が不足すると枝や茎が徒長してしまい、細長い貧弱な株になってしまいます。
丈の詰まった株に育てるためにも風通しの良い場所で管理しましょう。

【水やり】

成長期の夏は用土が完全に乾燥する前にたっぷりと水やりします。
ただし、ボスウェリア・ナナはあまり水やりの頻度が多すぎると細い枝が徒長しやすくなる傾向があります。
また成長は遅くなりますが、水やりは辛めのほうが主幹の軸部が太りやすい傾向があります。

秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春までは基本的に断水管理します。

ただし休眠中も月に数回、軽く用土を湿らせると細かい根が完全に枯死することが防げ、翌春以降の立ち上がりが良い場合があります。
寒い時期に水やりする場合は好天の続く気温が高い日を狙って午前中にごく少量の水やりし、気温の下がる夜間までにはほぼ乾いている程度にしましょう。

春になると葉が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきましょう。

【肥料】

成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

ボスウェリア・ナナは寒さに非常に弱いため、冬は暖かい場所で管理します。
また、休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。