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Anacampseros comptonii

アナカンプセロス・コンプトニー

Anacampseros comptonii アナカンプセロス・コンプトニー

幻の希少種、アナカンプセロス・コンプトニー

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の希少種、“アナカンプセロス・コンプトニー”です。


南アフリカ - 北ケープ州のニーウヴォウトヴル(Niewoudtville)から、西ケープ州のシデールベルフ(Cederberg)にかけてが原産。
この辺一帯はBokkeveld山脈に近い山岳地帯で、標高1,000mほどの高さがあります。

荒涼とした岩場が主な自生地で、平らな砂岩の浅い窪みにわずかに溜まった土壌に自生しています。
雨季になると窪みの中は水たまりのように水で満たされ、植物自体が半分水没することもあるようです。

種小名の 'comptonii' は、南アフリカのカーステンボッシュ国立植物園の設立者でもある植物学者、ロバート・ハロルド・コンプトン氏(Dr. Robert Harold Compton)の名をとって命名されました。

小さな塊根を形成する小型のスベリヒユ科の植物で、成熟した株でも直径2-3cmにしかならないアナカンプセロス属の最小種です。

自生地では塊根部分は砂質の沈泥土壌(シルト)に埋まっており、そこから葉を僅かに地表に出しています。

株全体はコマのような形状をしており、平らになった頂点部分から非常に小さな葉を伸ばします。
天辺が欠けたような形状をしたコマ型の葉は2-3mmの大きさしかありませんが、小さなゴマツブのような葉がひしめきあって密集した様子はなんとも不思議な雰囲気を持っています。

葉は緑色をしていますが、日光に良く当たると赤く染まり、宝石のような美しさとなります。

乾季に入る直前に、うっすらと桜色を帯びた白い花を咲かせます。
植物自体の大きさに比べて花は大きく、小さな体から懸命に花を咲かせている姿は得も言われぬ趣があります。

極地に自生する小型種に共通する特徴どおり、成長は極めて遅く、数年育てた程度では目に見える成長はほとんどありません。

また性質も非常に気難しく、水やりが多いと簡単に腐り、乾かしすぎると干からびてしまうという厄介な特性をもっています。
株自体が極めて小さいためか、環境変化に対する許容性が他の多肉植物に比べて極端に低い印象があります。
根張りも非常に弱く、長期間栽培しても細根を株の直径程度にしか伸ばしません。

特に休眠期は塊根も萎み、一見枯れたような見た目になります。
枯れたと思いこみ株を破棄する直前までいったことがありますが、秋になると水を吸い復活します。
もちろん難物故、そのまま枯れてしまうことも多々あります。

入手された方はじっくり時間をかけ、慎重かつ気長に育ててください。


【科・属】

Portulacaceae Anacampseros
スベリヒユ科アナカンプセロス属

【原産地】

南アフリカ - 北ケープ州ニーウヴォウトヴル(Niewoudtville)から、西ケープ州シデールベルフ(Cederberg)にかけて

【置き場所】

アナカンプセロス・コンプトニーの成長期は日中暖かく、夜間は涼しい春と秋です。
成長期である秋から春にかけては、日光のあたる明るい場所で管理しましょう。
基本的に日光を好みますが、照り返しのキツい場所や、長時間西日が当たる場所は適度に遮光します。

気温の上がる夏は少し遮光をして、風通しの良い場所で管理します。
アナカンプセロス・コンプトニーは蒸し暑さに非常に弱いため、通風はとくに重要な要素です。

春や秋の涼しい季節を好みますが、厳しい寒さは嫌うため厳冬期は屋内に取り込んで越冬させます。

【水やり】

春と秋の成長期は土が完全に乾いてから水やりします。
水やりする際は、好天が続き湿度の低い日を狙って水やりしましょう。
成長期も水やりした後に蒸れた状態が続くと調子を崩すことがあるため注意しましょう。

夜間の気温が上がり始めてからは徐々に水やりを控えめにします。
また小さな株ほどこまめに水やりし、大きな株ほど水やりの間隔を明けるようにします。

夏は基本的に断水気味に管理しますが、完全に断水すると干からびてしまうことがあります。
夏は株が枯れない程度にギリギリの水やりすることがコツです。
夜間の気温が低い涼しい日を狙って、夕方以降にごく少量の水やりをしましょう。

晩秋を過ぎ寒さが厳しくなってきてから春までは断水気味に管理します。
冬季に水やりする際は、天気の良く気温が高い日が続く日にごく少量だけ水やりします。

【肥料】

成長期の初秋や春に数度、微量元素が不足しない程度に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

アナカンプセロス・コンプトニーは涼しい季節に成長する植物のため、寒さには比較的強いほうです。
断水した状態ではある程度の寒さに耐えることはできますが、冬は暖かい環境で管理した方が安全です。
目安としては、最低気温が5度以下にならない程度で管理しましょう。
寒さよりも夏の蒸し暑さに気をつけ、夏は風通しの良い涼しい場所で管理しましょう。