Aloinopsis schooneesii
唐扇
ぷりぷりの葉と塊根が魅力の“唐扇”こと、アロイノプシス・スクーネーシー
南アフリカ北西部とナミビアにまたがる乾燥地帯、カルー盆地が原産です。
乾燥した砂質の土壌の平原の石や岩に紛れるように自生しています。
種小名の 'schooneesii' は、この植物を発見した南アフリカの大学教授、D.H スクーニース氏(Mr. D.H. Schoonees)の名をとって命名されました。
和名では“唐扇”と呼ばれており、こちらの呼び名の方が有名です。
古くから知られる塊根性のメセンで、大きな塊根と多肉質の丸みを帯びた葉が特徴です。
長い年月を経た古株になると、株の直径20-25cmほどの大きさにまで成長します。
小さいうちは塊根は地中に埋もれていますが、成長するにしたがい地上に少しづつ露出してきます。
葉に埋もれた塊根も面白いのですが、メセンの仲間らしい小石のような葉も本種の魅力の一つです。
葉の表面は鮫肌のようにザラザラしており、日光に良く当たると赤から赤紫に染まって、また違う表情に。
そして新しい葉は緑色をしており、古い葉と新しい葉が混ざり合った様子は色とりどりの宝石箱や、カラフルな金平糖のようなとても面白くてかわいらしい見た目になります。
成長期のピークに差し掛かると、葉の間から絹のような上品な光沢のある、淡いライトイエローの花を咲かせます。
なお地域的な変異によるものかは不明ですが、個体によってはピンク色の花を咲かせる珍しい個体も確認されています。
ちなみにアロイノプシスの属するハマミズナ科は、以前は“ザクロソウ科”に含まれていました。
たしかにこのプリっとした葉っぱ、キラキラと光るザクロのようにも見えてきます。
【科・属】
Aizoaceae Aloinopsis
ハマミズナ科アロイノプシス属
【原産地】
南アフリカ - 北西部、ナミビア
【置き場所】
年間を通して明るい場所で管理します。
日光に良く当てると葉の色が赤から紫色に綺麗に色付きます。
ただし、あまり強すぎる日光は葉が焼ける場合があります。その場合は適度に遮光しましょう。
塊根系のメセンでは珍しい夏型種ですが、真夏の高い気温や蒸し暑さに弱いので、夏は風通しの良い涼しい場所で管理します。
通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると暑さによるダメージを減らすことができます。
【水やり】
アロイノプシス・スクーネーシーは涼しい季節に成長する冬型種の多い塊根メセンの一種ですが、どちらかというと春から秋にかけ成長する夏型種に近い特徴を持っています。
もっとも旺盛に成長するのは日中の気温が高く、夜間が涼しい春と秋です。
成長期は用土がある程度乾燥してから水やりしてください。
水やりする際は葉や株に直接かけず、鉢の周囲沿って水やりすると、蒸れによるダメージを減らせる場合もあります。
アロイノプシス・スクーネーシーは気温の高い真夏は成長が一時的に止まりますので、水やりは控えめにします。
気温の高い時期に水やりする際は、夕方以降の涼しい時間帯に少量水やりしてください。
晩秋を過ぎたあたりから徐々に水やりを控え、春まで断水気味に管理します。
ただし休眠期である冬も月に1-2回、ごく少量の水やりによって細根の枯死を防ぐことができます。
休眠期に水やりする際は、好天の続く気温の高い日の午前中にごく少量水やりする程度にしましょう。
【肥料】
成長期に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
アロイノプシス・スクーネーシーは涼しい気温を好みます。
夏の蒸し暑さに気をつけ、暑い季節は涼しい場所で管理しましょう。
また、一般的なメセンよりも寒さに弱いところがあります。
リトープスや他の塊根メセンが耐えられる低温でも調子を崩す場合があるため、冬も暖かい場所で管理したほうが安全に越冬できます。