Puna clavarioides
茸ウチワ
手の平のような株
アルゼンチン - メンドーサ(Mendoza)やサンファン(San Juan)の標高3,000mを超える他の植物がほとんど生えていない、砂と岩しかないような環境に自生しています。
種小名の 'clavarioides' は、ラテン語で“クラブ(こん棒)に似た”という意味があります。
和名ではその不思議な形状から考え付いたのか、“茸団扇”(キノコうちわ)、または鶏のトサカに見立てたのか、“白鶏冠”(はっけいかん)とも呼ばれています。
数あるサボテンの中でも最も奇妙なかたちをしたサボテン、といっても過言ではないのではないでしょうか?
童話や絵本に出てきそうな不思議な形態がプナ・クラバリオイデスの一番の魅力です。
プナ・クラバリオイデスは和名で呼ばれているとおり、茎は頂点が平べったくなったキノコのような形や、鶏のトサカ、手のひら、、、様々な形状をしています。
サボテン栽培の世界では“綴化”(せっか)や、モンストと呼ばれる突然変異の個体を園芸用の品種として固定したものもありますが、プナ・クラバリオイデスはまるで綴化個体のようです。でもこれが正常な原種そのものの姿で、突然変異でもなんでもないというのが面白いですね。
茎の表面は非常に細かいみっしりとした白いトゲで覆われており、このトゲは触っても刺さることはなく、ザラザラとした手触りをしています。
また、地上の珍奇な姿とは違って根は塊根といっても良いほど立派な根っこをしています。
他のサボテンに比べて花は咲きにくいようですが、まれに気温が高い時期に緑がかった黄色い花を咲かせます。
珍種好きにはたまらない魅力があるプナ・クラバリオイデスですが、栽培はやや難しく、成長もとても遅いのが残念なところです。
【科・属】
Cactaceae Puna
サボテン科プナ属
【原産地】
アルゼンチン - San Juan(サンファン)、Mendoza(メンドーサ)
【置き場所】
プナ・クラバリオイデスは標高の高い涼しい気候の場所に自生しています。
蒸し暑さに弱いので夏は少し遮光し、風通しの良い涼しい場所で管理しましょう。
涼しくなり始めた秋から春にかけてはよく日のあたる場所で管理します。
プナ・クラバリオイデスはある程度の寒さに当てないと花芽が形成されないようなので、冬はある程度の寒さに当てたほうが良いようです。
【水やり】
夏の蒸し暑さに弱いので夏は水やりをごく少量に控えます。
自根株のプナ・クラバリオイデスは立派な塊根をもっているのである程度の断水には耐えられます。
水切れよりも過湿に気をつけましょう。
成長期である秋と春は土が完全に乾いてからたっぷりと水やりします。
寒さが厳しくなる冬は水やりの量と回数を控えめにします。
成長を止めている時期も月に数度、天気の良い暖かい午前中に少しだけ潅水しましょう。
【肥料】
成長期に数度、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
プナ・クラバリオイデスは南米の標高の高い場所に自生しているため、かなりの寒さに耐えることができます。
寒さよりも夏の蒸し暑さに注意しましょう。