Ortegocactus macdougallii
オルテゴカクタス・マクドガリー
黒いトゲを生やしたマクドガリー
メキシコ - オアハカ州南部のサン・ホセ・ラチグイリ(San José Lachiguiri)という小さな町の近郊の、ごく狭いエリアにのみ自生しています。
標高2,500mから2,700mほどの石灰岩の山の斜面に、砂礫に埋もれるように自生しているようです。
種小名の 'macdougallii' は、発見者であるスコットランド生まれのボタニスト、トーマス・マクドゥーガル(Thomas MacDougall)にちなんで命名されました。
また、属名の 'OrtegoCactus' はマクドゥーガル氏とともにこのサボテンの発見に尽力したメキシコの植物コレクター、フランシスコ・オルテガ氏(Francisco Ortega)のファミリーネームに由来しています。
一属一種のみという植物学的にも珍しい種類のサボテンで、自生地の隔絶された環境によって独自の進化を遂げたと考えられているそう。
細長い紡錘形の幹から仔株を吹いて群生していきますが、一つの株の大きさはせいぜい10cmほどの大きさにしか成長しません。
うっすらと緑色がかった淡いグレーの肌がオルテゴカクタス・マクドガリーの最大の魅力。
数あるサボテンの中でもなかなかお目にかかれない、とても美しい表皮のおかげでサボテン愛好家にはとても人気があります。
表皮は菱形や亀甲のようにボコボコとしており、ところどころから鋭いトゲを生やします。
トゲの色は黒く、その薄い色の表皮とのコントラストがまたたまりません。ちなみにトゲは生えたばかりのころは真っ白で、時間が経つにつれ黒く染まっていきます。
春から秋にかけては黄色いサボテンらしい花を咲かせます。
成長はとても遅く、栽培もやや気難しいところがありますが、それを補って余りある魅力のある種と言えます。
【科・属】
Cactaceae OrtegoCactus
サボテン科オルテゴカクタス属
【原産地】
メキシコ - オアハカ州サン・ホセ・ラチグイリ(San José Lachiguiri)
【置き場所】
成長期である春と秋は日光のよく当たる場所で管理します。
日光が強すぎると日焼けすることもありますので、その場合は適度に遮光しましょう。
オルテゴカクタス・マクドガリーは高山性のサボテンのため、湿度の高い、蒸し暑い環境に弱いところがあります。
根腐れを防ぐためにも風通しの良い環境で涼しくすごさせましょう。
【水やり】
成長期である春と秋は土が乾いてから水やりします。
オルテゴカクタス・マクドガリーは根が弱く、他の種に比べて根腐れしやすいので用土や水やりの頻度には気をつけます。
また、成長が止まる蒸し暑い夏は断水気味に管理し、涼しい夕方に軽く水やりする程度にします。
寒さが厳しくなる冬も水を控えめにします。冬に水やりする際は天気の良い暖かい午前中にごく少しだけ潅水しましょう。
【肥料】
成長期に数度、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
オルテゴカクタス・マクドガリーは高所に自生している為、かなりの寒さに耐えます。
ただし、寒さに晒す場合は断水し日中は適度な日光に当て体力を回復させるようにします。
高山性のサボテンなので、寒さよりも夏の蒸し暑さに注意しましょう。