Opuntia microdasys subsp. rufida f. minima
仔吹紅烏帽子
奇妙な株姿が魅力の小型ウチワ、オプンチア・ミクロダシス ssp. ルフィダ” f. ミニマです
基準種であるオプンチア・ミクロダシス、およびオプンチア・ミクロダシス f. ルフィダは、アメリカ合衆国のテキサス州や、メキシコ - チワワ州が原産です。
本種はそのルフィダの中から突然変異で誕生した矮性種となります。
亜種名(subspecies=subsp.)の 'rufida' は、ラテン語の“赤い=rufus”が語源となります。
品種名(forma=f.)の 'minima' は、ラテン語で“小さい”という意味があります。
比較的古い時期に日本にも入ってきたことがあるようで、“仔吹紅烏帽子”(こぶきべにとりぼうし)という和名が与えられています。
その亜種名、品種名からも分かるとおり、表皮やアレオーレ(刺座)の繊毛が赤く染まる、小型のウチワサボテンです。
基準種は高さ1.5mほどの大きさに育つこともあるようですが、本種はせいぜい40-60cmほどの高さにしか成長しません。
また、基準種は扁平な茎が特徴ですが、本種の茎は非常に細長く、長細いインディカ米のような形状をしています。
本種は茎のところどころから仔吹きながら成長し、上に向かって直立するような樹形となります。
大きな特徴は赤紫に染まった表皮と、オレンジから赤褐色をしたアレオーレにあります。
茎を覆うようにびっしり生えたアレオーレはとても綺麗で、奇妙ながらも怪しい美しさを誇ります。
ただし、多くのウチワサボテンの仲間同様に繊毛には非常に細かいトゲが生えており、軽く触る程度でもビッシリトゲが刺さり、非常に痛痒い思いをしますので注意してください。
性質は極めて丈夫で、旺盛に仔吹きながら成長します。
ウチワサボテンは美しい種が多いのですが、大きく育って場所を取りやすいのが欠点です。
その中でも本種はコンパクトに育てることができる珍奇種ですので、少し変わったウチワサボテンを育てたい方におススメです。
【科・属】
Cactaceae Opuntia
サボテン科オプンチア属
【原産地】
アメリカ合衆国 - テキサス州
メキシコ - チワワ州
※基準種の原産地
【置き場所】
年間を通して日光のよく当たる場所で管理します。
主に砂漠に自生している本種は強い日光を好みます。
日光が不足すると茎が細長く徒長したり、本種の特長である美しい色合いが出てきません。
また、根腐れや害虫の発生を誘発します。
日光のよく当たる室内でも、ガラス越しでは本種の育成にある程度必要なストレスとなる紫外線(UV)がカットされるため、長期栽培には不適です。
可能な限り、屋外で日光に当てて育てましょう。
【水やり】
成長期の春から秋にかけては用土が乾いてから水やりします。
成長期は屋外で雨ざらしでも問題ありませんが、その場合は乾燥しやすい素焼き鉢や用土を用いたり、用土の量を少なくして常に用土が湿った状態にならないように工夫してください。
根のあまり張っていない株や、弱っている株は過湿にすると茎が腐りやすいため注意してください。
気温の低くなってきてから春までは断水気味に管理します。
ただし完全に断水するよりは月に数回、用土を軽く湿らす程度の水やりをした方が根の枯死を防げます。
気温の低い季節に水やりする際は、好天の続く気温の高い日の午前中に水やりしてください。
天気の悪い、気温の低い日に水やりすると根腐れや茎の腐れを誘発します。
【肥料】
成長期に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
本種は断水気味に管理した場合、かなりの寒さに耐えることができます。
よく根の張った株であれば、氷点下5度程度まで耐えるという記述もあります。
ただし、寒さにあてる場合は日中は可能な限り日光に当て、寒さに耐えられる体力がつくようにしてください。
暑さには強く、気温が高いほど旺盛に成長します。