Maihueniopsis mandragora
マイフエニオプシス・マンドラゴラ
コロコロした可愛らしい姿が特徴の小型珍種サボテン、マイフエニオプシス・マンドラゴラ
アルゼンチン - カタマルカ州からサルタ州にかけてが原産です。
標高1,800-3,000mの範囲の、低木・灌木がまばらに生えた岩の多い草原地帯に自生しています。
種小名の 'mandragora' は、西洋呪術の中で使用されることで有名なナス科の塊根植物、マンドラゴラ属(mandragora)に由来しています。
コロコロとした丸っこい茎節をいくつも連ねる小型のサボテンです。
自生地では茎節は部分的に地中に埋もれ、マット状に広がるように自生しており、株径は20-30cmほどの大きさに成長します。
卵形から円筒形をした茎は細長い卵のような形状で、一節は長さ2-3cmほどしかありません。
茎の表皮は淡いエメラルドグリーンをしていて、日光に良く当てると紫色がかってきます。
表皮の刺座(アレオーレ:areole)の生えた周辺は陥没しており、そこからとても小さな貧弱なトゲをまばらに生やします。
なお、本種は地中に肥満した塊根を持っています。
種小名の 'mandragora' も、この塊根に由来しているのではないかと推測されます。
株が群生し、充実してくると春から夏にかけて淡い黄緑色から薄いクリーム色の花を咲かせます。
花は一節よりも大きく、直径3-4cmほどの大きさになります。
成長は非常に緩慢で、茎節もなかなか思うように増えてくれません。
また自生地での元々の個体数が少ないうえ、違法採取によって数を減らしており、今では種の存続に高い役割を担う母集団が2つにまで減ってしまっているようです。
なお、本種は 'Maihueniopsis minuta'(マイフエニオプシス・ミヌタ)の変種とされる場合や、テフロカクタス属とされる場合もあります。
ウチワサボテン亜科の仲間は分類が非常にややこしく、また地域変異も大きいため他の名前で流通している場合もある点を留意してください。
【科・属】
Cactaceae Maihueniopsis
サボテン科マイフエニオプシス属
【原産地】
アルゼンチン - カタマルカ州からサルタ州にかけて
【置き場所】
マイフエニオプシス・マンドラゴラは標高の高い、乾燥した涼しい気候の地域に自生しています。
蒸し暑さに弱いので夏は適度に遮光し、風通しの良い涼しい場所で管理しましょう。
空気の停滞した、空中湿度が高い場所では突然腐ってしまうことがあります。
成長期である秋から春にかけては、日光のよくあたる場所で管理します。
また、マイフエニオプシス・マンドラゴラは冬に寒さに当てないと花芽が形成されないようなので、花が見たい方は冬はある程度の寒さに当てたほうが良いようです。
【水やり】
夏の蒸し暑さに弱いので夏は水やりを少量に控えます。
自根株のマイフエニオプシス・マンドラゴラは塊根をもっているので、ある程度の断水には耐えられます。
水切れよりも過湿に気をつけましょう。
成長期である秋と春は土が完全に乾いてからたっぷりと水やりします。
寒さが厳しくなる冬は水やりの量と回数を控えめにします。
成長を止めている時期も月に数度、天気の良い暖かい午前中に少しだけ水やりしましょう。
【肥料】
成長期に数度、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
マイフエニオプシス・マンドラゴラは南米の標高の高い場所に自生しているため、かなりの寒さに耐えることができます。
寒さに当てる場合は乾燥気味に管理します。気温の低い状態で用土が長期間湿っていると簡単に根腐れを起こします。
寒さよりも夏の蒸し暑さに注意しましょう。