Hoodia currorii
フーディア・クローリー
柱状の大型ガガイモ、フーディア・クローリー
アンゴラ、ナミビアにまたがるナミブ砂漠が原産。
世界最古の砂漠ともいわれるナミブ砂漠の沿岸部一帯に点在する小型のアカシアの疎林や丘陵のスロープに自生しています。
この地域一帯は非常に過酷な環境で、場所によっては日中は50度を越え、冬の夜間は零下まで気温が下がることもあるそうです。
種小名の 'currorii' は、19世紀に活躍したスコットランド生まれの外科医でもあるプラントハンター、アンドリュー・B・キュラー氏(Andrew B. Curror)の名をとって命名されました。
小型の柱サボテンにそっくりな見た目をした大型のガガイモです。
柱状の茎は直径4-6cm、高さ1mほどの大きさにまで成長し、株の根元や茎の途中から分岐して群生を形成します。
茎の表面は小さい円錐状のトゲ状の突起で覆われています。
トゲは意外に鋭く、素手で触ると痛いのでご注意を。
ある程度の大きさに育つと、茎の頂点付近から平たいお皿のような大きくて立派な花を咲かせます。
花は濃いエンジ色をしており、見た目は和紙のような乾いた質感をしています。
大株が沢山花をつけた様子は、奇妙極まりない不思議な姿です。
フーディア・クローリーには、より東に自生する 'Hoodia currorii subsp.lugardii'(フーディア・ルガルディー)という亜種もいます。
ちなみにフーディアの仲間には優れた食欲抑制成分が含まれていて、自生地のサン族は何日にも渡る狩りを行う際にはフーディアを食べて飢えを凌いだそうです。
近年、先進諸国ではダイエット食品として人気があるようですが、、、とてもじゃありませんが食べてしまうなんてもったいない!ですね。
【科・属】
Asclepiadaceae Hoodia
ガガイモ科フーディア属
【原産地】
アンゴラ、ナミビア
【置き場所】
年間を通して日光のよく当たる明るい場所で管理します。
フーディア・クローリーは日光を遮るもののない、荒涼とした地域に自生しています。
そのため、真夏の直射日光下でも日焼けすることはほとんどありません。
ただし、暗い場所からいきなり長時間直射日光に当てた場合や、ベランダの床付近など、照り返しの厳しい場所では焼けてしまうことがあります。
直射日光に当てる際は徐々に太陽に馴らしていくようにしましょう。
また、極度の乾燥地帯に自生する植物ですので通気の悪い蒸し暑い場所では突然腐ってしまうことがあります。
通風に気をつけ、風通しの良い場所で管理しましょう。
【水やり】
基本的に乾燥を好む植物ですので、水やりは一般的な多肉植物よりも少なめにします。
成長期の夏は土が完全に乾いてからたっぷり水やりします。
その際も乾くたびに与えるのではなく、しばらく乾燥させるぐらいの間隔で水やりしましょう。
秋に入り、涼しくなってきた頃から徐々に水やりの回数と量を減らし、春まで断水気味に管理します。
寒い時期は基本的に断水しますが、月に1、2回ごく少量の水やりをすると細根の枯死が防げます。
休眠期に水やりする際は天気の良い午前中に行い、夜までには完全に乾いている程度にしましょう。
休眠明けの春から徐々に水やりを再開します。その際はいきなりたくさん水やりせず、少しづつ量と回数を増やしていきます。
また、ガガイモの仲間は根ジラミやカイガラムシがつきやすく、乾燥する冬は特に注意します。これらの虫は湿度を嫌うため、霧吹きでたまに水をかけてあげるとある程度予防できます。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
フーディア・クローリーはガ寒さには比較的強いほうです。
断水状態では一時的にかなりの低温に耐えますが、日中に日光と高温に当てることが条件です。
安全に越冬させるためには、ある程度暖かい環境で越冬させましょう。。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。