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Tylecodon pearsonii

白象

Tylecodon pearsonii 白象

どっしりした株姿が特徴のチレコドン属の人気種、チレコドン・ペアルソニー

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っしりした株姿が特徴のチレコドン属の人気種、“チレコドン・ペアルソニー”です。


南アフリカ - 西ケープ州のバンラインスドルプ(Van-rhynsdorp)から、ナミビアのカラス州カラスバーグ(karasburg)にかけてが原産です。
主に珪岩の砂利が主体の山の斜面や砂礫地帯に自生しています。

種小名の“pearsonii”は、南アフリカを代表する植物園、カーステンボッシュ植物園にも勤めていたイギリス生まれの植物学者、ヘンリー・ハロルド・ウェルチ・ピアソン博士(Dr. Henry Harold Welch Pearson)の名をとって命名されました。
日本では比較的古くから知られており、そのどっしりした株姿からか、“白象”という和名が与えられています。
また、古くは“怪奇竜”という別の和名もあったようです。

ゴロンとした形が特徴の小型の冬型コーデックスで、大きく成長しても直径20cmほどの大きさにしか成長しません。

大きな特徴はなんといってもその株姿にあります。
幹は岩や壺のようにどっしりとした形状で、小さいながらも圧倒的な存在感を放ちます。
幹を覆う表皮は鈍いオリーブグリーンから灰色をしており、古い表皮は少しづつ剥がれていきます。

幹のところどころから太く短い枝を伸ばし、そこから多肉質な円筒状の葉を展開します。
葉はうっすらと粉吹きがかったような青磁色で、枯れた味わいのある表皮とのコントラストが非常に綺麗。
また葉が落ちた後の脱落痕が白い点状となって残り、奇怪な姿を印象付ける本種の特徴の一つとなっています。

休眠から目覚め、成長を始める前になると長い花茎を伸ばし、筒状の小さな花を咲かせます。
花はうっすらとオレンジがかった緑色からくすんだクリーム色をしています。

成長は極めて遅く、なかなか目立った成長を感じることはできません。

なお、本種と非常に良く似た姿をした'Tylecodon luteasquamata'(チレコドン・ルテオスカマタ)という種が知られていますが、近年では本種のシノニム(同種異名)とされています。


【科・属】

Crassulaceae Tylecodon
ベンケイソウ科チレコドン属

【原産地】

南アフリカ - 西ケープ州バンラインスドルプ(Van-rhynsdorp)から、ナミビア-カラス州カラスバーグ(karasburg)にかけて

【置き場所】

成長期である秋から春にかけては、直射日光のあたる明るい場所で管理します。
チレコドン・ペアルソニーは日光を非常に好みます。
日光が不足すると葉や枝の徒長、根腐れや株の腐敗を誘発します。

ただし活着前の株や調子の悪い株、小さな株などは長時間直射日光に当てると株の体力が消耗することがあります。
そのような株を管理する場合はわずかに遮光した環境で管理しましょう。
その場合でも日照時間はなるべく長くとるようにしてください。

気温が上がり、葉が脱落し休眠に入り始めてからは適度に遮光した涼しい棚上などで管理します。

【水やり】

成長期である秋と春は、用土がある程度乾いてから水やりします。
チレコドン・ペアルソニーは過度な水やりは厳禁ですが、あまり水を切りすぎると葉が垂れさがったり、幹にシワが入る場合があります。

本種は涼しい季節を好む冬型種ですが、厳冬期は活動が鈍ります。
水やりする際は好天の続く、暖かい日を狙って水やりしましょう。

春から初夏にかけ、葉が落ち始めたころから徐々に水を控え、休眠から目覚めるまでは完全に断水します。
ただし、輸入直後の新しい根を伸ばし始めた株や、小さな株などは長期間の断水で細根が枯死し、株が弱ることが多くあります。
そのような株の場合、休眠期もごく僅かな水やりをすることで細根の枯死や株の体力の消耗が防ぐことができます。

休眠期に水やりする際は、用土の表面を軽く湿らせたり株全体に軽くシリンジする程度にしましょう。
また、水やりは気温の下がる涼しい夕方以降に風通しのよい場所で行ってください。

チレコドン・ペアルソニーは涼しくなってくると徐々に葉が芽吹きだしてきますので、その頃から少しづつ水やりを開始します。
その際もいきなりたくさん水をあげると腐りやすいので注意しましょう。

【肥料】

成長期の初秋や春に数度、微量元素が不足しない程度に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、緩効性の化成肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

チレコドン・ペアルソニーは涼しい季節に成長する冬型植物です。
ただし極端な寒さは嫌うため、最低気温が5度を切るような場合は夜間は屋内で管理した方が安全です。
また活着前の株や小さな株も耐寒性がやや劣るため、十分に根が春までは適度に暖かい環境で管理しましょう。

寒さよりも夏の蒸し暑さに気をつけ、気温の高い季節は涼しい場所で管理しましょう。