isla del pescado-手織りテキスタイル-ヨガマット-多肉植物-販売

Pachycormus discolor

象の木

Pachycormus discolor 象の木

“象の木”こと、パキコルムス・ディスカラー

Pachycormus discolor 象の木 image_1 Pachycormus discolor 象の木 image_2 Pachycormus discolor 象の木 image_3 Pachycormus discolor 象の木 image_4 Pachycormus discolor 象の木 image_5
ハ・カリフォルニアの希少灌木植物、“パキコルムス・ディスカラー”です。


メキシコ - バハ・カリフォルニア・スル州のバハ・カリフォルニア半島のプンタ・コヨーテ(Punta Coyote)からマグダレナ湾(Bahía Madgalena)にかけてが原産です。
岩の多い乾燥した平原や、山腹の斜面などに自生しています。

種小名の 'discolor' は、ラテン語で“2色の、異なった色の”という意味があり、'dis-'(分離)+ 'color'(色)の合成語です。
そのどっしりした見た目からか、現地では 'Elephant tree' と呼ばれており、日本でもそのまま“象の木”という和名が与えられています。

ウルシ科の灌木コーデックスプランツで、大きく育った個体になると3-5mほどの高さにまで成長します。
自然に育った状態でも盆栽的な樹形となるため、国内外でも古くから盆栽植物としても親しまれています。

海岸沿いの風が強い場所で育った株は、地面に横臥するように生えていることがあります。
その姿は寝そべったゾウアザラシのようで、なんとも言えない奇妙な外観です。

幹や枝の表面は幾層にも重なった薄灰色の表皮に覆われています。
薄い紙のような表皮は年月を経ると自然と剥がれ落ちていきます。

主幹からは太い枝を何本か伸ばし、そこから細い枝を分岐しながら伸ばします。

成長期になるとマメ科の植物のような羽状複葉の小さな葉を展開します。
小さな葉は上部と下部で色が異なり、ダークグリーンから青白い色へと変化しています。
種小名の“2色の、異なった色の”という意味も、この葉の特徴から命名されたようです。

大きな株になると春先から夏にかけてクリーム色に中央がピンク色に染まった小さな花を咲かせます。

同じような自生地に自生している 'Bursera microphylla'(ブルセラ・ミクロフィラ)と非常によく似た見た目をしていますが、表皮の色や葉の形状のわずかな違いで判別は可能です。
もっとも容易な見分け方としては、カンラン科であるブルセラ・ミクロフィラは葉を触ると爽やかな芳香がしますが、ウルシ科であるパキコルムス・ディスカラーは葉を触っても無臭です。

成長は極めて遅く、4-5年育てた程度ではほとんど成長の変化に気づかないほどです。
寿命が非常に長い植物としても知られているため、現地にあるような立派な大株になるには数百年以上の年月が必要です。

なお、パキコルムス・ディスカラーの特徴であるこの幾層にもなった表皮は自生地の強烈な太陽や乾燥から身を守るためと考えられています。
身を守るためなら厚い皮をまとえば良いのでは?と思いますが、この特徴には自生地の環境が大きく関係しています。

乾燥した不毛の大地とも言われるバハ・カリフォルニア半島は一年の大半が乾季で雨がほとんど降りません。
そのため、自生地ではパキコルムス・ディスカラーも葉を落とし休眠している期間が長いのですが、葉のない季節でも光合成ができるよう表皮を紙のように薄くし、幹や枝などから光を吸収して最低限の光合成を行えるように進化しました。
よくみると薄い皮の下にはうっすらと緑色の葉緑素が見えます。
太陽や乾燥から身を守れる厚い表皮だと光を通さないため、薄い皮を何枚もまとうように進化したと考えられているようです。


【科・属】

Anacardiaceae Pachycormus
ウルシ科パキコルムス属

【原産地】

メキシコ - バハ・カリフォルニア半島北部一帯

【置き場所】

年間を通して直射日光のよく当たるで管理します。
パキコルムス・ディスカラーは日光を非常に好むため、栽培環境下でもっとも日当たりの良い場所で育てましょう。

日光が不足すると枝が徒長したり、病気や虫に弱い貧弱な株になってしまいます。
また風通しの悪い場所も嫌うため、通風にも注意しましょう。

【水やり】

パキコルムス・ディスカラーの自生するバハ・カリフォルニア半島北部のボーダー地帯(LA FRONTERA)と呼ばれる地域は、冬にまとまった雨が降る冬季降雨地帯です。
そのため本種は涼しい季節に葉を繁らせることが多く、日本では初秋から初冬、または春から初夏にかけてが主な成長期となります。

成長期は用土が乾燥しきる前に水やりするようにします。
本種は一年の間でも動いている期間が短いため、成長期は用土が完全に乾燥しきらないようにしましょう。

また、株が小さいうちは体内に貯水できる水分が少ないため、大株に比べると水を欲しがります。
あまり乾燥させすぎると、そのまま枯れてしまうため注意しましょう。

厳冬期になると成長は止まり、環境によっては葉を落とすこともあります。
新芽や新梢が固まり、成長が止まり始めてからは徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めたら断水気味に管理します。

休眠中も月に数回、軽く用土を湿らせると細かい根が完全に枯死することを防げる場合があります。
寒い時期に水やりする場合は好天の続く気温が高い日を狙って午前中にごく少量の水やりし、気温の下がる夜間までにはほぼ乾いている程度にします。

葉が落ちて休眠している間も霧吹きで軽く株全体を湿らせたり、細根が枯れない程度の少量の水やりを行うと、活動期に入ってからの目覚めもスムースになります。
基本的に気温の高い真夏は落葉することが多いのですが、日本では不定期に萌芽・落葉を繰り返す場合が多くあるため、株の状態を見ながら適宜水やりを行ってください。

【肥料】

成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、緩効性の化成肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

パキコルムス・ディスカラーは断水した状態なら0度近い気温に耐えることができます。
ただし小さな株や活着前の株はあまり厳しい寒さに当てると枯死する可能性もあるため、暖かい環境で管理した方が安全に越冬できます。