Haemanthus unifoliatus
ハエマンサス・ユニフォリアツス
地面から伸びる一枚葉が特徴の小型ケープバルブ、ハエマンサス・ユニフォリアツス
南アフリカ - 北ケープ州スプリングボック（Springbok）から、ステインコフ（steinkopf）にかけてが原産です。
花崗岩で形成された石英の多い砂質土壌の平原や、ブッシュの茂みなどに自生しています。
種小名の 'unifoliatus' は、ラテン語で“一枚葉のある”という意味があり、'uni-'（一つの接頭辞）+ 'folia'（葉）+ '-atus'（形容詞化）の合成語です。
小型のヒガンバナ科の球根植物で、球根の直径は3-4cmほどにしかなりません。
地中に完全に埋まった球根から地表に直立した葉を展開します。
その種小名からも分かるとおり、ハエマンサス・ユニフォリアツスは葉を一枚だけ伸ばすという面白い習性を持っています。
基本的に一つの球根につき葉は一枚のみしか出しませんが、ごくまれに2枚ほど葉を出す場合もあるようです。
葉は幅広の細長い船のオールのような形状で、長さ10-20cmほどにしかなりません。
また、ハエマンサス・ユニフォリアツスは葉のフチにビロード状の高密度の綿毛が生えるという特徴も持っています。
休眠から目覚め、葉を展開する前に地表に濃いエンジ色の花茎を伸ばし、スカーレットカラーの鮮烈な花を咲かせます。
小さいながらも目を引く美しい色合いの花は、素晴らしい美しさを誇ります。
一枚だけ葉を出す、真っ赤な花、、、など、同属の希少種、
'Haemanthus nortieri'（ハエマンサス・ノルティエリ）と多くの共通した特徴を持っていますね。
なお極地に自生する小型球根植物に共通した特徴どおり、本種も成長はとてもゆっくりで、開花までにはとても長い年月が必要です。
幸いにも面白い特徴の葉を持っているため、開花するまでじっくり育ててみてください。
【科・属】
Amaryllidaceae Haemanthus
ヒガンバナ科ハエマンサス属
【原産地】
南アフリカ - 北ケープ州スプリングボック（Springbok）からステインコフ（steinkopf）にかけて
【置き場所】
成長期に入り葉が展開し始めてから休眠に入るまで、日光のよく当たる明るい場所で管理します。
ハエマンサス・ユニフォリアツスは日光・通風の良い場所で管理すると、葉幅が広く、がっしりと締まった株に育ちます。
日光が不足すると葉が徒長し、締まりのない葉姿になってしまいます。
また、風通しの悪い場所も同様です。
冬型種であるハエマンサス・ユニフォリアツスは高温と蒸し暑さに弱いので、休眠期である春から夏は風通しの良い涼しい場所で管理します。
通風があまり確保できない場合でも、扇風機などで風を送ると暑さによるダメージを減らすことができます。
【水やり】
成長期の秋と春は用土が乾燥してから水やりします。
成株への頻繁な水やりは徒長や球根の腐りを誘発しますので、締まった株に育てるには辛めに水やりしましょう。
ハエマンサス・ユニフォリアツスは涼しい季節に成長する冬型種ですが、寒さが厳しくなる厳冬期は水やりの量・回数を少なめにします。
蒸し暑くなり始めた頃から徐々に水やりを控え、葉が枯れて涼しくなるまでは断水して管理します。
休眠中は基本的に断水しますが、月に1、2回ごく少量の水やりをすると球根の枯死が防げます。
その際は風のある涼しい夕方以降に用土を軽く湿らす程度に水やりしましょう。
ただし高温期の水やりは球根の腐りを誘発しやすいため、慎重に行ってください。
【肥料】
成長期の秋に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、緩効性の化成肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ハエマンサス・ユニフォリアツスは涼しい季節に成長する植物のため、寒さには強いほうです。
ただし、夜間の最低気温が5度を切らないように管理した方が安全に越冬できます。
寒さよりも夏の蒸し暑さに気をつけ、暑い季節は涼しい場所で管理しましょう。
