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Dracaena cinnabari

ドラセナ・シナバリ

Dracaena cinnabari ドラセナ・シナバリ

悠久の千年木、ドラセナ・シナバリです

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秘の島ソコトラ島のシンボル、“ドラセナ・シナバリ”です。


イエメン - “インド洋のガラパゴス”こと、世界中の珍奇植物好きの憧れの地、ソコトラ島が原産です。
標高500-1,500mまでのアルカリ性の石灰岩や花崗岩で形成された岩山の急斜面や頂上、半落葉性の森林地帯に自生しています。

種小名の 'cinnabari' は、ラテン語で“朱色の”という意味があり、 'cinnabar'(朱紅色、朱色の)に由来しています。

独特な形状をした奇妙な植物が多く自生するソコトラ島。
そんなソコトラ島を代表する、ソコトラ珍奇植物たちの王様とも言えるリュウゼツラン科の植物です。

高さは4-6mほどに成長し、横幅も5-6m近くに成長する大型種です。
特徴は一目見ると忘れられないような独特の樹形にあります。

地面からは一本の太い幹を伸ばし、ある一定の高さから水平方向に一斉に多数の枝を伸ばします。
その姿は強風でひっくり返った傘やキノコのような奇妙な佇まいです。
あらゆるメディアでソコトラ島の紹介がされる際は、必ずといっていいほどその姿が映し出されるソコトラ島のアイコン的存在でもあります。

枝は密に分岐して、そこから先の尖った剣状の葉を伸ばします。
幅2-3cm、長さ30-60cmほどになる葉はとても硬く、表面がわずかに粉吹いて青白く見えます。

枝が増えるにつれ葉の量も増えるため、樹冠の密度はどんどん濃くなり、本当に日傘を地面に突き刺したようになっていきます。
自然界のデザインには一切無駄がないと言われるとおり、この樹形にも大きな意味があります。

ドラセナ・シナバリの自生環境は岩山の岸壁に溜まった僅かな土壌や、腐食質のほとんど含まれない痩せた土壌であるため、地中に深く根を張ることができません。
強烈な太陽が照りつける極度の乾燥地帯で生き残るために、ドラセナ・シナバリは自ら影を作りだす樹形になることによって、地表近くに張った浅い根を保護したり、地中から水分の蒸散を極力減らすため、その姿に進化したと考えられています。
そしてモンスーンの時期に岩山にかかる低い雲や霧雨に含まれるわずかな水分を得るため、密生した葉に結露を集めて水滴を落下させ、効率よく水分を吸収するためとも考えられています。

また、成木の下に落ちた果実から発芽した体力のない小さな株を太陽から守り、生き残りを手伝っています。
このような理由により、ドラセナ・シナバリは密集して群生していることが多いようです。

英語圏ではドラゴンを連想するような株姿と、樹皮を傷つけると染み出てくる赤黒い樹脂を竜の血に見立て 'Dragon blood tree'(竜血樹)と呼ばれています。
“竜血樹”とは、本来はよく似た姿をした同属の 'Dracaena draco'(ドラセナ・ドラコ)のことを指しますが、ドラセナ・シナバリも含め、そう呼ばれることが多くあります。
種小名の 'cinnabar'(朱紅色、朱色の)も樹脂の色から命名されました。
なお、採れた竜血はバイオリンのニスやうがい薬、民間療法の薬などに使われ、ソコトラ島の重要な貿易品として珍重されたようです。

成長の早い種が多いドラセナ属の中でも本種は極めて成長が遅く、古い葉が落ち、地表にわずかに幹立ちとなるまでにも実生からは15年-20年以上の年月を要します。
そのため、自生地の立派な成木になるには少なくとも1,000年以上の年月が必要と言われています。

近年は猛烈な干ばつによる成木の枯死や開花不良、自生地でのヤギの放牧による食害によってかなり個体数を減らしています。
成木はわずかな個体群が生き延びていますが、次世代に繋がる幼木が育っておらず、絶滅の危機に瀕しています。
そのため現在では幼木や種も含めて、島から一切の持ち出しが禁止され厳重に保護されています。

極端な成長の遅さと、絶滅寸前という状況であるがために国内ではほとんど出回ることのない希少種です。
種が採れるクラスの大株が世界を見渡しても自生地以外ではほとんど存在しないのが大きな理由です。
運よく小さな株を入手した方が生きている間にソコトラ島に生えているような立派な大株に育つことはありませんが、次世代に繋がる夢を育てるつもりで大事に育ててあげてください。


【科・属】

Agavaceae Dracaena
リュウゼツラン科ドラセナ属

【原産地】

イエメン - ソコトラ島

【置き場所】

一年を通して直射日光のよくあたる場所で管理します。
ドラセナ・シナバリを健康に育てるには、直射日光がなるべく長い時間当たる風通しの良い場所が適しています。

室内の半日蔭などで管理すると葉が徒長したり、株の元気がなくなり、根腐れや害虫の発生を誘発します。
できる限り長時間日光の当たる場所で育てるようにしましょう。

またドラセナ・シナバリは石灰岩土壌に自生しているため、ややアルカリ質の土壌を好みます。
日本で一般的に販売されている園芸用土は弱酸性の場合が多いため、定期的に苦土石灰等でPHを調整して管理しましょう。

【水やり】

ソコトラ島の年間降水量は250mmと少なく(東京の1/6)、ドラセナ・シナバリは一般的なドラセナに比べてやや乾燥した状態を好みます。
成長期である気温の高い季節は用土がある程度乾いてから水やりします。

水やりの回数が少ないと根腐れする可能性は低くなりますが、ほとんど成長しなくなります。
辛めの水やりがポイントですが、年間を通して成長する期間はごくわずかですので、成長期は用土が完全に乾燥する前に水やりするようにしましょう。
ただし常に湿った状態にならないよう、メリハリをつけて水やりしてください。

気温の低い時期はさらに辛めに水やりします。
幼木は体内に貯水できる水分量が少ないため、長時間断水すると株が弱る可能性があります。
また、ある程度の大きさの株でも細根が枯れ、翌年の成長に影響を与える可能性があるため、寒い季節も細根の枯死を防ぐ程度のごく僅かな水やりは行いましょう。

気温の低い季節に水やりする場合は、好天の続く気温の高い日を狙って午前中にごく少量の水やりを行います。
気温の下がる夜間までに、ある程度用土が乾いている程度にしましょう。

春になり、気温の上昇に伴って水やりの量・回数を少しづつ増やしていきます。

【肥料】

ドラセナ・シナバリはあまり多くの肥料は必要としません。
成長期に薄めた液肥をごく少量与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料を混ぜ込んでおいても良いと思います。

【適温】

ドラセナ・シナバリの自生しているソコトラ島は年間の平均気温が高く、最も寒い季節でも15度を下回ることがありません。
そのため、基本的には低温は嫌うと考えてください。
とくに幼木や、活着前の株は耐寒性が低いため、最低気温は10度以上を維持するようにしましょう。

ある程度の大きさになり、鉢全体に根が良く廻った株になると、一時的な寒さに耐えることはできます。
ただしその場合でも低温が長時間続かないように気をつけましょう。

反対に暑さには非常に強く、他の植物がへばるほどの暑さの時期が最も元気に成長します。